3年9ヶ月ぶり、10作目、『The Insulated World』。最強のアルバム。
これまでDIR EN GREYは実験寄りのアルバム、ディープで耽美なアルバム、直感と本能に回帰したアルバム、と、全く違うテーマに挑戦し、そのどれをも超絶的なクオリティーで達成してきた。
だが、このアルバムはそのすべてを超えたと言っていい。
このアルバムはこれまでのどのアルバムよりもストレートでシンプルに聴こえる。
ヘヴィーなリフと、タイトなビートで押し切り、ふさわしいメロディーがしっかりと歌われ、歌詞もしっかりと聴き取れる。
予想を超えるエクストリームな展開や、常軌を逸した過剰なアレンジなどはむしろ抑えられているというか削ぎ落とされている。
一曲目「軽蔑と始まり」が始まった瞬間にぐっと引きずり込まれ、ラスト曲「Ranunculus」が終わるまで一気に駆け抜けていくようなアルバムだ。
だが、そんなストレートなアルバムであるにもかかわらず、このアルバムには『UROBOROS』の美しさも、『DUM SPIRO SPERO』の深さも、『ARCHE』の生のダイナミズムも、全てが感じられる。
これまでのDIR EN GREYの音楽に宿ったあらゆる感情と感覚が、このアルバムのシンプルでタイトな楽曲と演奏には練り込まれているのだ。
聴いていると「全能感」に襲われる。
作品として恐るべき到達点に達している。
もはやJ-ROCKのレベルではない。(山崎洋一郎)
インタビューとフォトで全12ページ。
9月29日発売のロッキング・オン・ジャパンに掲載するのでしばしお待ちを。
DIR EN GREYの新作『The Insulated World』は超ストレートな大傑作。メンバー全員にインタビューした
2018.09.20 18:00