サカナクション、ZEPP TOKYO公演を観た

サカナクション、ZEPP TOKYO公演を観た

このツアーは本当に重要だ。
サカナクションというバンドのこれまで、今、これからを繋ぐ物語の中で本当に重要な「章」となるツアーだ。

去年はサカナクションが勝負に打って出た1年だった。
メジャーになっていくことと、自分達の存在意義を深めていくことと、両方に最大限に挑戦した1年だった。
アルバムをチャートの1位に送り込み、大会場での独自のライブのやり方にトライし、タイアップやテレビ出演にもトライし、と同時に音響技術や演出面でのクリエイティブも含めた新しい音楽体験のあり方を提案し続けてきた。

そして、それを経て、今年最初にリリースされたのは裸のサカナクション・裸の山口一郎の歌「グッドバイ」だった。

このツアーは、最大限の挑戦をしてきた最強のプログレッシヴ バント・サカナクションと、裸のサカナクションが重なり合うためのプロセスのようなツアーだ。
いや、もっと正確に言うなら、最大限の挑戦をしてきたサカナクションは、実はその武装の下は常に裸だったことを確認するためのツアーだ。
MCで明かされた過去のいろんな歌が生まれたエピソードは、どんなにポップな曲もどんなに閉じて聴こえる曲も、同じ変わらない孤独と野心から生まれたことを物語っていた。

サカナクションはこれからもその野心のためならいくらでも武装するだろう。でも、その下はいつだって裸だ。
それがこのツアーではっきりとわかる。
だから、みんなと繋がり合いながら進んでいくための「TRIBE」(種族)という言葉をツアータイトルに掲げたのだろう。
こんなにもサカナクションの「思い」が届くライブは初めてだ。

まだまだツアーは続くので具体的なことを書けなくてごめんなさい。



写真は今発売中のロッキング・オンJAPANのページより。
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