新たな歌姫から要注目のアーティスト、初来日目前のバンドまで――2020年の幕開けにふさわしいニューカマーたちをご紹介!

2020年はギター・ロック・バンド復権の年になるか?


ちなみに「Sound of 2020」の傾向としては、近年の同リストの中でもバンド・ミュージック、ギター・ミュージックのエントリーが比較的多かったのは特筆すべき点だろう。例えば5位入賞のインヘイラーU2のボノの息子、イライジャが率いる彼らはまさにギター・ロックの未来を背負うサラブレッドで、2月に初来日を控えて日本での状況も早くも出来上がりつつある。

父親譲りのリリカルなメロディ・センスといい、ブロッサムズやキャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンにも通じるストレート・エッジなギター・サウンドといい、このバンドが来るデビュー・アルバムでロック・バンドの王道から正面突破してくれることを祈願せずにはいられない。


王道の正面突破に期待、という意味ではLA出身の4ピース・バンド、Liilyもプッシュしておきたい。昨年デビューEP『I Can Fool Anybody in This Town』をリリースしている彼らは「Vevo DSCVR Artists to Watch 2020」にエントリー。エモのポップネス、ストーナーのグルーヴ、サザン・ロックの埃っぽさ、今っぽいインダストリアルなアレンジなどを盛り込みつつも、最終的にはアンセミックなバンド・サウンドの力技でねじ伏せる彼らのサウンドの魅力は、とにかく聴いてもらえれば一発で感電するように理解できると思うし、ひょっとしたらグレタ・ヴァン・フリートのように化けるかも?というポテンシャルを感じるのだ。



ポテンシャルという意味ではマンチェスターの新人Larkinsの名前も挙げておこう。曲によってはもろにThe 1975だったり、はたまたイマジン・ドラゴンズだったりするのだが、ポップを恐れず邁進する貪欲な姿勢を推したい。


しなやかでユニークな才能が目白押し! 今年もフィーメール・ロックが熱い


The 1975のマシューがNo Romeに続き猛プッシュしているのが、Dirty HitのニューカマーBeabadoobeeだ。マニラ生まれロンドン育ちの19歳、Bea KristiのプロジェクトであるBeabadoobeeは、90年代ローファイの影響を色濃く感じさせる(“I Wish I Was Stephen Malkmus”なんて曲もあります)ドリーミーなギター・ポップを、スーパーオーガニズムにも通じる抜けのセンスで鳴らしていて、まだまだ未成形、これからの成長の余白にワクワクするタイプの才能だ。


コートニー・バーネットからスネイル・メイルやサッカー・マミー、そしてステラ・ドネリーまで、テン年代後半を彩った最高にクールなフィーメール・ロックの潮流は嬉しいことに2020年も顕著で、ノルウェー出身の超新星Girl In Bedや、シアトリカルなアート・ポップに可能性を感じるPhoebe Greenらも要注目です。


インディ・ギターの2020年は個性派揃い? ブラック・ミディ、フォンテインズD.C.に続くのは誰だ?


最後にご紹介するのはUKインディ・ギターのニューカマーたち。テン年代後半のUKシーンではアイドルズやシェイムブラック・ミディらUK勢からフォンテインズD.C.やMurder Capitalらアイルランド勢まで含めて、ポスト・パンクのアクチュアリティを復活させたバンドたちDIYなアンダーグラウンド・シーンからのし上がってきたという痛快な出来事があったが、彼らに続く異形の才能が2020年も続々と待機している。

その筆頭が「Sound of 2020」にもエントリーしたSquid。ブライトンを拠点に活動する5ピースだ。切れ味鋭くスリリングなポスト・パンクやアヴァン・ジャズの覚醒感と、淡いマーブルを描くサイケデリックや究極にミニマルなドット絵的アンビエントにズブズブ足を取られていく酩酊感が交錯する彼らのサウンドは、現時点で「得体が知れない」という形容がぴったりで、その得体の知れなさは知性と野性が互いを裏切り続けるかのようなセッションが続くライブ・パフォーマンスにも顕著。ドラム・ボーカルというのも最高でしょう。



この他にも得体の知れなさ、フリークネスでSquidとタメを張るロンドンを拠点にする7ピース・バンド、Black Country, New Road(これまたライブ観たすぎる!)や、トーキング・ヘッズの孫、はたまたフランツ・フェルディナンドの息子のようなDo Nothing、80Sニュー・ウェイヴ、ゴスの直系サウンドをやっているティーン・バンドWorking Men’s Clubなどなど、ブレイク候補が目白押しだ。ぜひあなたのお気に入りを見つけてください!(粉川しの)

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