ヤングブラッドが、「おかしな時期」に迷い込んだキッズたちの大きな救いであることを実感! ハイテンションで突っ走った感動のバーチャル・ツアーを観た

ヤングブラッドが、「おかしな時期」に迷い込んだキッズたちの大きな救いであることを実感! ハイテンションで突っ走った感動のバーチャル・ツアーを観た

待望のニュー・アルバム『ウィアード!』のリリースを記念して開催されたヤングブラッドのバーチャル・ワールド・ツアー「The Weird Time of Life Tour」。その最終日となる12月7日のシドニー公演を観た。

今年の初来日がコロナのせいでキャンセルになってしまったのは無念だったが、こうしたイベントに時差なく参加できるのもパンデミックの非日常だからこそだし、もしかしたら今後これが当たり前のフォーマットになっていくのかもしれない。

「ツアー」と銘打つだけあってもちろんオープニング・アクトも出演、Cassyette、Wargasm、Royal & The serpentの3組が濃厚なセットを披露。こうして志を同じくする若手をサポートし、自分のファン・コミュニティへと橋渡ししていくのがヤングブラッドらしい。

50分が過ぎたあたりでいよいよヤングブラッドが登場! 胸のラインでカットされたヘソ出しTにサスペンダーというパンキッシュな出で立ちのドミニクは登場早々ピョンピョンと地に足が付かないハイテンションぶり、オープナーの“アイス・クリーム・マン”から既にクライマックスだ。

この人にとって、バーチャルだったり無観客だったりするファンとの物理的距離は一切関係がない。当然のように誰もいないフロアにグイグイ身を乗り出して熱唱するし、小さな画面の向こうの一人一人と繋がっていることを信じ、全力でコミュニケートしている。ファンもまた怒涛の勢いでレスポンス、チャット欄はまさに大洪水だ。中にはファンが互いの悩みを打ち明け合っているレスもある。

「俺たちは変わり者でのけ者かもしれない、でもここにいる俺たちはファッキン・ファミリーなんだよ!」とドミニクが叫び“マーズ”が始まると、チャット欄は「Love」に「Cry」が混じり合ったさらにエモーショナルな場になる。

クソみたいな世界に生きる俺たちは愛し合い、労わり合うことが大事だとこの日ドミニクは何度も訴えていた。ヤングブラッドのライブとは音楽や演奏を超えた互助コミュニティなのだとつくづく感じたし、今、「人生のおかしな時期(Weird Time of Life)」に直面している多くのキッズにとって、ヤングブラッドとそのコミュニティが大きな救いになっていることを、改めて実感できた数十分だった。(粉川しの)



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ヤングブラッドが、「おかしな時期」に迷い込んだキッズたちの大きな救いであることを実感! ハイテンションで突っ走った感動のバーチャル・ツアーを観た - 『rockin'on』2021年1月号『rockin'on』2021年1月号
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