久々のラップ作品は超強力

スヌープ・ドッグ『クールエイド』
発売中
ALBUM
スヌープ・ドッグ クールエイド
近年はもっぱらレゲエ・アーティストかファンク・アーティストかという活動をしてきたスヌープ・ドッグ。どちらの場合にも極上なグルーヴを生み出してくれていたのでとても気に入っていたのだが、久々に100パーセント、MCとしての作品となったのが今回の新アルバム。というわけで、冒頭からかましまくりの展開で、2曲目にはもろ西海岸G-ファンクで押しまくるが、最近ファンク路線が多かったので違和感もなく、レトロ感とは無関係にぶっといベース・リフに絡みまくるスヌープの天才ラッピングが聴けてとても嬉しい。イギー・アゼリアの“ファンシー”のリフを絶妙にまるパクリするセンスも冴えていて、そんな自分を若かった頃に身を置いていたギャング団クリップスにかけて“スーパー・クリップ”と呼ぶメンタリティもまだ健在だ。個人的にはゲイリー・ニューマンの“カーズ”使いの“マイ・カーズ”がツボすぎ。こんな懐かしいネタ初めて! しかも、この曲のプロデューサーはJ・ディラなので発掘音源なのだろうか。ジャスト・ブレイズ、スウィズ・ビーツらの音源が多く、音もMCも絶対に聴かせてやるという気合いの作品。(高見展)
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