目指せ、国民的ロックバンド

緑黄色社会『溢れた水の行方』
2018年11月07日発売
MINI ALBUM
緑黄色社会 溢れた水の行方
まだメンバーが学生だった頃、目の前の野菜ジュースを見て、「緑黄色社会」というバンド名を決めた。完全にノリ。そのエピソードを訊いた時、「このバンドのセンス大丈夫?」と思ったが(ごめんなさい)、当時、初めて出した全国流通盤『Nice to Meet You??』の頃から、リョクシャカのポップミュージックは確かな煌めきを放っていた。ライブに足を運べば、ボーカル長屋晴子は内に秘めた情熱を半ば持て余しながら、泥臭いパフォーマンスを見せていたのも印象的だった。そんなリョクシャカが初めてメジャー流通でリリースするミニアルバムが『溢れた水の行方』だ。今作で彼女たちが宣言するのは、「私たちはどこにでも行ける」ということだと思う。peppe(Key)が奏でる繊細なピアノがピュアな衝動と透明感のある景色を描き出す“あのころ見た光”をリード曲にしながら、“Never Come Back”では洋楽ライクなエレクトロナンバーにも挑戦。バンドとしての確固たる軸があるからこそ、幅広いアプローチも恐れない。今作を聴いて、いまやリョクシャカのセンスを全面的に信頼している自分に気づいた。(秦理絵)
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