ボーイもガールも、祝20周年

ケミカル・ブラザーズ『サレンダー(20周年記念盤)[輸入国内仕様]』
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BOX SET
ケミカル・ブラザーズ サレンダー(20周年記念盤)[輸入国内仕様]

その昔、ロックとエレクトロニカは、ふたつのまったく異なる国だった。リスナーも別々だったし、CDショップでも遠く離れた棚に置かれていた。

でも、90年代の後半にアンダーワールドザ・プロディジーダフト・パンクといった勇者たちが次々と国境近くに現われ、中でも最高の「使節団」役を務めたのがケミカル・ブラザーズだった。ブレイクビーツを合言葉に、96年の“セッティング・サン”が橋を架け、とどめは99年の『サレンダー』だった。バーナード・サムナー&ボビー・ギレスピーを迎えた“アウト・オブ・コントロール”の疾走するビートが闇夜を引き裂いたその瞬間、ロックとエレクトロニカを隔てる国境は完全に消滅した。そうして、ふたつの異なる国は「ひとつ」になった。戦争は終わったのだ。おしまい。

……いや、実際はもう少しいろいろあったけどね。でも、簡単に振り返ると、そういうことだ。今年は『サレンダー』20周年。それを祝し、充実の記念盤が発売されることになった。国内盤は2種類の仕様があるが、注目はやはりCD4枚組+DVDの「完全数量限定盤」の方だろう。Disc 1は『サレンダー』のオリジナル音源を収録。Disc 2は人気曲の「ザ・シークレット・サイケデリック・リミックス」集ですべて今回が初出し。Disc 3はBサイド&既出リミックス・バージョンの傑作集。DVDには、MV集と、00年の英国グラストンベリー・フェスでのライブ映像が収録されている。

そして最大の目玉は、Disc 4収録の99年フジロックのライブ音源! 熱狂の“Hey Boy Hey Girl”で幕を開けた全11曲の記録は、トムとエドが日本盤のためだけに用意してくれた素敵すぎる特典。きっと今ごろ世界中のファンが嫉妬しているはずだ。 (内瀬戸久司)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ケミカル・ブラザーズ サレンダー(20周年記念盤)[輸入国内仕様] - 『rockin'on』2019年12月号『rockin'on』2019年12月号
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