昨年のアルバム『Kiss from the darkness』以降も配信シングルが続いたが、2年ぶりとなるフィジカルシングルは結成15周年の第1弾。かつてのインディーズデビューと同じ、桃の節句にリリースされる。表題曲は作詞がRINA(Dr・Vo)、作曲がMAMI(G・Vo)で、力強くも優しい癒やしをもたらすロックの包容力に満ちている。心地好いシャワーのようにギターサウンドが降り注ぎ、とりわけ『YELLOW』の時期にも手腕を振るってきたプロデューサー/アレンジャーのシライシ紗トリがトランシーなトリートメントを施した編曲が見事。ロックサウンドそのものが、永遠の愛を導き出すメッセージになっている。「ロックバンドであることの必然」と真っ直ぐに向き合い、自らそれを育ててきた
SCANDALだからこそ可能な、確かな成長の時間がこの音には刻まれている。ぜひ大規模なライブ会場で触れてみたい楽曲だ。カップリングには、
テイ・トウワによる同曲のリミックスを収録。ソリッドなブレイクビーツとバレアリックなフレーズを駆使し、ロックな原曲との対比を試みている点に注目してほしい。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より