文学シリーズは続く

ヨルシカ『老人と海』
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ヨルシカ 老人と海
6月に配信され、宮沢賢治の作品『風の又三郎』をモチーフに制作された“又三郎”以来2ヶ月ぶり。ヨルシカの新曲“老人と海”はアーネスト・ヘミングウェイの短編小説『老人と海』をモチーフに書き上げられたという。

淡々とリズムを刻むアンサンブルに乗せて、一歩一歩情景を踏みしめるようなsuisの歌。《風に乗って/僕の想像力という重力の向こうへ》《まだ遠くへ 海の方へ》というサビはとてもシンプルで力強い。小説『老人と海』で描かれる人生における不屈さ、人間の生命力といったメッセージを血肉化し、今まさに困難に立ち向かおうとするような堂々とした楽曲だ。

“又三郎”では吹き荒ぶ強風に抗うようなパワフルな歌と音を鳴らし、《悲しみも夢も全て飛ばしてゆけ、又三郎》と放ったヨルシカ。そして今回の“老人と海”といい、時代のストーリーテラーとしての使命感をより強め、長きにわたって人々の支えとなってきた文学作品の力を借り、この混迷を正面突破しようとするような季節が続く。この先はどこへ向かうのか。とても気になる。(小松香里)

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