広がる作風、冴える直球

reGretGirl『tear』
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ALBUM
reGretGirl tear
失恋前、失恋後、失恋の瞬間、恋の真っ只中など、「恋愛」に関する様々な事柄をキレのいいロックサウンドで表現することに長けているreGretGirl。彼らの描写力は、今作でも抜群に冴えわたっている。そして新しい作風の萌芽を感じるのは、ふとした瞬間に蘇る記憶と心の揺らぎの描写だ。愛しているはずの人を前にしながら過去の恋人を思い出してしまう自分を執拗に責める“ルックバック”。年齢を重ねる中で必然的に増える懐古、体験せざるを得ない別れを映し出す“tear”――この2曲はソングライターである平部雅洋(Vo・G)の年齢ならではの実感が示されていると同時に、今後の新しい作風にも繋がっていきそうな予感がとてもする。歌詞にスポットが当たることが何かと多い気もするこのバンドだが、演奏の切れ味やアンサンブルの構築力が圧倒的である点にも、ぜひ注目していただきたい。特にギターに関しては、バッキング、リフのフレーズ、ソロなど、あらゆる面で各曲に華がある。シンプルな楽器編成を基調としたギターロックのかっこよさを存分に体感させてくれるのも、彼らの大きな魅力だ。(田中大)

(『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より)


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