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恋のはじまり。片想いの切なさ。両想いの尊さ。ふたりで過ごす日々の悲喜こもごも。そして恋の終わり。これまでマルシィは、恋愛を巡る様々な情感に豊かな輪郭を与え、普遍的なポップソングへと昇華し続けてきた。いつか彼らがベストアルバムを出すときがきたら、そのタイトルは『ラブソング』になるだろうと僕は勝手に予想していたが、まさか、その直球のタイトルを冠した楽曲がリリースされるとは。この曲に対する彼らの覚悟を感じたし、実際に聴いて、マルシィの王道をアップデートする新たな代表曲になると確信した。丁寧に紡がれる温かなサウンド。しっとりと胸に沁み入るたおやかなメロディ。そして、大切な人へ捧げる切実な愛の言葉と未来への誓い。まさに渾身の“ラブソング”だ。ひとりでも幸せに生きていけるこの時代において、誰かと人生を共にすることの素晴らしさを高らかに伝えるこの唄は、今は恋愛から遠ざかっている人を含め、数え切れない人の恋愛観、人生観を変えていくと思う。本当にすごいバンドだ。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋)
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