「風格」を持ったバンド

バロネス『イエロー・アンド・グリーン』
2012年08月08日発売
ALBUM
バロネス イエロー・アンド・グリーン
2年前、今から思えば最後となってしまったアイシスの日本公演に帯同して来日し、アイシスによる神がかったパフォーマンスに負けず劣らずの熱演を見せ、観客の心をがっちりと掴んでみせたバロネス。

2007年にリリースした『レッド・アルバム』、2009年の『ブルー・レコード』に続く第3弾となる本作は、果たして何色になるかと思いきや、黄と緑が2枚組でいっぺんに届けられた。重厚なリフとダイナミックなドラム、メロディアスなヴォーカルといった持ち味はそのままに、さらにエクスペリメンタルなポスト・メタルの領域へと切り込んで壮麗さを増した大作は聴き応え満点。歌もあるペリカンやロシアン・サークルズというか、エモーショナルな方向に振れたリタジーやカイレサというか、ストイックなマストドンというか、もっと言えばオーペス最新作に通じるところすら感じられるような充実の内容で、ここは1枚ずつ、じっくり聴き込みたい。

優秀な絵描きでもあるリード・シンガー/ギタリストのジョン・ベイズリーが手がけた相変わらず美しいジャケット・アートは、思わずアナログ盤で入手したくなる。(鈴木喜之)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする