出世街道、依然爆走中

エディターズ『ザ・ウェイト・オブ・ユア・ラヴ』
2013年06月26日発売
ALBUM
エディターズ ザ・ウェイト・オブ・ユア・ラヴ
デビュー作がマーキュリー・プライズのノミネートに挙がり、直近の2枚が2作連続全英1位獲得と、名実共に現UKのトップ・バンドであり、2000年代組としてはアークティック・モンキーズやカサビアンと比肩する中核の存在なのがこのエディターズだ。その割に日本での認知が追いついていない気がするのは、彼らが破綻無き優等生だからかもしれない。J・ディヴィジョンの再来としてNWリヴァイヴァルの波に乗ったファースト、一気にスケールアップしたセカンド、エレクトロへと大胆に舵を切ったサードと、アート・ロックの理想の進化を遂げてきた彼らの新作は、これまた理想的な「第2章」の訪れを告げる高級普遍化の一枚だ。『アクトン・ベイビー』期のU2を思わせる脱インディの色気むんむんのソウル・ナンバーもあれば、ストリングスが壮大な空間を仕切り纏めるエピックなナンバーもある。インディのトップから名実ともにメインストリームのトップへ、新たなフェーズでもまた一段ずつ着実にステップアップしていく姿が目に浮かぶ。つくづく優等生だけれど、彼らのこの着実な歩みは太く短く系が多いUK勢にあって貴重な個性でもある。6月には6年ぶりの来日も。 (粉川しの)
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