WANIMA/東京ガーデンシアター

WANIMA/東京ガーデンシアター - All photo by 瀧本JON…行秀All photo by 瀧本JON…行秀

●セットリスト
SE.Boil down
1.エル
2.雨あがり
3.いつもの流れ
4.ララバイ
5.昨日の歌
6.1CHANCE
7.リベンジ
8.Japanese Pride
9.いいから
10.SNOW
11.Milk
12.オドルヨル
13.Mom
14.Hey Lady
(アンコール)
EN1.春を待って
EN2.HOPE


「やっぱ、みんなおって良かった〜!」と、KENTA(Vo・B)は歌の最中にも思いを溢れ出させていた。有観客+配信という形で繰り広げられた「WANIMA Boil Down 2020」は、今後も忘年会のような位置付けで開催したい、というライブの記念すべき第1回。WANIMAの2020年は、過去最大25万人を動員する予定だった「COMINATCHA!! TOUR 2019-2020」が新型コロナウイルス拡散防止のためアリーナ16公演を残して中止になり、有観客ライブとしては今回がおよそ10ヶ月ぶり。ワンマンライブとしては、ライブビューイング&配信という形で9月にZOZOマリンスタジアムで行われた「COMINATCHA!! TOUR FINAL」以来となる。

WANIMA/東京ガーデンシアター

2020年6月に開業した東京ガーデンシアターに、雄々しく気高いコーラスに満たされた新しいオープニングSE“Boil down”が響き渡る。毎年末の「Boil Down」のテーマ曲となる楽曲だろうか。溶け出す3つのスカルが描かれたバックドロップを背に、“エル”の燃え盛るような爆走を支えるFUJI(Dr・Cho)、赤い短髪になって精悍さを増した気がするKO-SHIN(G・Cho)、そしてサングラス装着のKENTAが勢いよく転がり出す。「Boil Down=沸騰させて凝縮する、要約してズバリと言う」という公演タイトル通りに、苦難続きだった2020年の最後を熱く沸かせ、きっちりと纏め上げるためのライブだ。“雨あがり”など序盤から反骨のスピリットが漲る楽曲が並び、KENTAは劇場型ホールの高い位置の座席でも盛り上がるオーディエンスを見上げ、嬉しそうな表情を覗かせていた。

「みんな待ってるから」と楽屋で筋トレに精を出していたというKO-SHINを弄ったり、「サポートメンバーの……フジ……フジワラくん?」と冗談めかしたりするKENTAだが、この2020年はやはりオーディエンスの大きな存在感と必要性を痛感したそうだ。会場で、また配信で見つめるオーディエンスに向けて「その場所にいてくれて、ありがとうございます!」と感謝の思いを投げかける。ベースラインが妖しくうねる“いつもの流れ”では途中で歌詞を飛ばしてしまうものの、ただ下世話なだけではなく切実なエモーションを迸らせて見事に体勢を立て直してみせた。

WANIMA/東京ガーデンシアター

“昨日の歌”を駆け抜けた後には、恒例のリクエストコーナーへ。KENTAはマスクを装着し、念入りにもスタンド式のパーテーションを手にステージを降りてオーディエンスのリクエストを募る。一方、FUJIは配信のチャット欄からリクエスト曲を拾おうとするのだが、高速で流れる無数のコメントの中から「バニラの歌」を読み取る動体視力がなかなか凄い。結果的にリクエスト曲は“1CHANCE”に落ち着いたのだが、今やTikTok動画でもバズったこの曲を、本家WANIMAが「できる?」とか言いながらおそるおそるプレイしているのが可笑しい。

その後も、くるくると表情を変える曲調をグッドメロディとロックな手応えで繋ぎ止める“リベンジ”の名演や、「今は立派な君のパパも 1度は聴いてたんだWA・NI・MA!!」と歌詞を変えて歌われる“Japanese Pride”、大きな歓声やシンガロングはできないながらも、オーディエンスが一斉に手を叩き飛び跳ねる“いいから”と、WANIMAのライブらしい緊密なコミュニケーションの時間が続く。鈴の音のシーケンスと、FUJIが鳴らすウインドチャイム、そしてKO-SHINが爪弾くアルペジオに彩られた“SNOW”は、オーディエンスが一斉にスマホのライトを灯し、厳かで美しい一場面になっていた。

WANIMA/東京ガーデンシアター

“オドルヨル”のワウギターのリフに合わせて、KENTAが捲し立てる「ボッボボッボ、ボイダンボイダン(Boil Down)!!」という掛け声は、今後も合言葉のように使われるかもしれない。「なんとかみんなと一歩を踏み出したくて。なんとか負けんように、おってくれるだけでいいから。何かあったら、WANIMAに頼っていいから」。そんなふうに思いを投げかけた後、KENTAが歌詞の一言一句を噛み締めるようにしながら歌う“Mom”の切実な響きには、きっと多くの人が心を揺さぶられただろう。そしてライブ本編は《飛びっきりの笑みで》締め括る“Hey Lady”。シンガロングができなくても、マスクで口元を覆い隠していても、笑顔は伝わる。

さらにアンコールでは“春を待って”と“HOPE”の熱演を繰り広げ、KO-SHINの一本締めでフィナーレを迎えたわけだが、ライブ本編中に言い忘れた、とKENTAが慌てて来春からの「Cheddar Flavor Tour 2021」開催を告知する。なるほど、どおりで今回はミニアルバム『Cheddar Flavor』初出曲のライブ披露がなかったわけだ。KENTAは名残惜しそうに、そして来るツアーが待ちきれないとばかりに、エンディングSEに合わせて“Cheddar Flavor”を歌うのだった。(小池宏和)

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