HAWAIIAN6 @ 新木場STUDIO COAST

HAWAIIAN6 @ 新木場STUDIO COAST - pic by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)pic by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
昨年11月にスタートした3rdアルバム『BONDS』のリリース・ツアーが、、約40本に及ぶ並大抵ではないロング・ロードを経て、ようやく最終目的地・新木場STUDIO COASTに到着。HARDCORE FANCLUBにthe band apartという古くからの盟友たちを迎え、COASTには早くから大勢のキッズが詰めかけた。

先陣を切ったのは、5月にHAWAIIAN主宰のIKKI NOT DEADレーベルから1stアルバムを発表するHARDCORE FANCLUB(以下HCFC)。ちょっとバンド・プロフィールに触れておくと、HCFCとはCOKEHEAD HIPSTERSのKOBA(HCFCではVoを担当)、FUCK YOU HEROES/STEP UP RECORDSのRYOSUKE(B)を中心に結成された、その名の通りオールド・スクールなDCハードコアをファストに掻き鳴らす 5人組だ。痛快にストップ&ゴーをキメる高速ビートを原動力として、苛烈な3コードとKOBAの甲高いシャウトがいやおうなしに気持ちをケリ上げ、早くもフロアにはモッシュ・サークル勃発!
目につくもの全てに噛みついていくような、怖いもんナシ!なツラ構えもグッドなHCFC。これからぐっちゃぐちゃにシーンを撹拌してくれることだろう。

続いてはバンアパ。サウンド・チェックからそのまま本編1曲目の“CoralReef”に雪崩れ込み、この4人ならではの爽快なグルーブが瑞々しい情景を立ち上げていく。ベース・原は体脂肪を感じさせない軽やかなステップでステージを動き回り、表情豊かにパフォーム(見ているこっちまで楽しくなっちゃう!)。序盤はちょっと音が拡散されているような印象もあったけど、“Shine on me”→“I love you Wasted Junks & Greens”と曲を追うごとにタイトに加速。「あの~、この前テレビを観てたら女性の大食い選手権なんてのがあって、ババアがヨダレたらしながら食ってんですけど……」と、相変わらず突拍子のない原説法には場内大爆笑。リリースされたばかりの新作『the Surface ep』からも2曲(“free fall”&“Flower Tone”)披露され、5月の自身の新木場ワンマンにがぜん期待高まるステージを見せてくれたバンアパだった。

時刻は20時40分。いよいよラスボス・HAWAIIAN6の登場だ。場内の暗転と共に怒号のような歓声が湧き、ステージ後方にバック・ドロップが掲げられる(COASTのステージにはちょっと小ぶり?笑)。ピース・サインでキッズに応える HATANO(Dr)、「よーっ!元気か? 目いっぱい楽しんでこうか!? 準備はいいか!?」と呼びかけて“Egoist”へ。そして“Abyss”→“GOODBYE YESTERDAY”と、アンサンブルの整合性より何より、感情の溢れ出るままに、気持ちを込めまくった荒々しいサウンドでブッ放していくHAWAIIAN。フロアには音の抑揚にあわせて気持ちいいくらいコブシが屹立。次から次にダイバーも溢れ返り、COAST の一体感は早くも最高潮だ。スゲぇ!

ひと息ついて、HATANOがMC――「いやぁ、ただいま! ファイナルへようこそ! HARDCORE FANCLUBとband apartに出てもらって、どうだった? 楽しかった??(フロアから熱烈な「オーッ!」)。ファイナルだからって、俺ら特別なことは何もやりません。ただ、特別な夜にしたいと思ってます。今日はなげぇぞ~(再びフロア、熱烈に「オ――ッ!!」)。ここには自由があるからな! 目いっぱい行こうぜ!!」とキッズに共闘を呼びかけて、“The Misery”→“Blackout”→“A Praise of Human”と、時に真正面からぶつかり合うように、時にスクラム組んでその先へと一点突破していくように、バンドとオーディエンスはどこまでも熱を高めながら加速していくのだった。

何より印象的だったのは、もう数え切れないくらい、何度も繰り返し「ありがとう!」と告げられたこと。「生きてこのファイナルを迎えられたことが嬉しいです。腐るほど言ってっけど(笑)、『ありがとう』としか言えないな。これまで生きてきた中で最高に感謝の気持を込めて言います――ありがとう!!」と、何のてらいもなくキッズへ感謝を届けるさまが、ひるがえってアルバム制作とツアーの困難を照射するようでもあった。そう、またひとつ、HAWAIIAN6はデカい壁を乗り越えたのだ。だからこそ、「観たいこと、やりたいこと、自分の価値観で前へ進め!夢をつかみ取れ!! コブシを上げろ!!いい夢見ようぜー!!!」とHATANOが思いの丈を叫んで鳴らされた“Revolutions”に、僕は胸が打ち震えるほどの感動を禁じ得なかったのだ。まったく、どこまでもスゲぇバンドだと思う、本当に。

ダブル・アンコールの最後の最後、感動的にスタートした“MAGIC”でギター・トラブルに見舞われたりもしたけれど(「これも俺たちらしいな」と苦笑いのHATANO)、無数の笑顔をCOASTに広げて『BONDS』ツアーは万感のフィナーレを迎えたのだった。ライブの一部始終を大掛かりなクレーン・カメラがシュートしていたので、早期の映像化に期待っす!(奥村明裕)
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