人気コミックである同作を実写化するにあたり、原作への敬意と原作ファンへの責任を感じながら挑んだというふたり。永井/佐藤へオファーがあったときの心境を、それぞれ次のように語っている。
「僕はキャラクターにすごく感情移入できたので、そこに心配はなかったですね。永井は合理主義で現実的で、感情をちゃんと自分でコントロールした上で、最善策を見つけてそれを実行できるキャラクターで。僕は圧倒的に永井寄りの人間なので、わりと自然体でスッと入れました」(佐藤)
「主役である人が佐藤という相手役をものすごく意識しなきゃいけないので、僕が佐藤をやって彼が乗れるのかが大事なんです。それで彼に連絡したら、『もしできるんだったら一緒にやりたい』と言ってくれたので、その瞬間からは前向きに考えました。僕の場合は自分とはかけ離れた人物なので、ひたすら化けるプロセスでした」(綾野)
また、ふたりの共演は『るろうに剣心』以来5年ぶりとなるが、今回改めて感じたお互いの印象についても語っている。
「周りを見たときにこういう存在感の人がまずいないです。自分と同じ感覚を持ってるところもたくさんあると思います。言ってしまえば、徹底的にやることなんて当たり前で、そりゃお互いやるよね、っていうぐらいなので、ほっといてもこの人はできる限り最大限をやってくれる人だっていう信頼感がありますね」(佐藤)
「セルフコントロールという部分で、健の右に出る人間はいないだろうなと思います。とは言っても『俺は俺』ってことではなくて、ちゃんとチームを意識してるので信頼も大きい。だからすっごく柔らかく言うと、健のお願いは絶対だな、っていう感じ?(笑)お願いされたら叶えたいと思っちゃう」(綾野)
俳優として、人間として、互いにリスペクトと信頼を寄せ合う佐藤と綾野。このふたりだったからこそ、『亜人』という難しい世界観を極上のエンターテインメント作品として昇華できたことが伝わってくる、必読のインタビューとなっている。