今年3月には武道館2DAYSで大成功をおさめ、12月からはホール公演を含む全国ワンマンツアーを控えるMy Hair is Bad。着実にスケールをアップさせている彼らだが、フロントマンである椎木はその行く末に不安を感じていたと言う。
『ブラジャーのホック』みたいな、攻撃力のある単語を使わない曲をいい曲だけどって言ってもらえるようにならないと、先がない気がしてました。
そんな中リリースされた最新作は、椎木自身も「第2章の入り口」だと語るように、次なるステージへの強い想いを感じさせるEPとなった。
(“裸”という曲は、)《例え十字架に吊るされようとも》っていうくだりが出てきたときに、今まで書いたことのない、六畳一間じゃないラブソングが書けると思った。(中略)僕の中では、こういう歌詞がスタンダードなんだと思ってるんです。この曲では、ジャパニーズスタンダードを俺なりに書いてみたという感じです。
この距離感って、ライブでやるにしてもレコーディングするにしても、知識とか実力が必要な気がして。言葉だけじゃ騙せないし、それ以外の全部がないとあんまり人に響かない。だから今、バンドマンからミュージシャンになりたくなってるんだと思います。
さらに椎木は、自身の中に「臆病な俺」と「強気な俺」のふたりの自分が共存していることを明かす。そのバランス感が、My Hair is Badの「らしさ」につながっているようだ。
ステージの上にいる瞬間以外は、ずっと臆病な俺が俺を操縦していて。『やっちまえよ』みたいな俺もいるんですけど、なかなかそっちの俺はハンドル握らせてもらえない。でもその臆病な俺も、強気な俺がいないと、椎木知仁が光らなかったり、強くならなかったりするのを知ってるので、うまくやっていけたらいいなと思います。
悩み、もがきながらも、進化を続ける椎木の本音に迫ったロングインタビュー。ぜひ誌面でチェックしてほしい。