ツアー「PATHFINDER」の終了後、“シリウス”、“Spica”、“望遠のマーチ”を書き終えて間もなく制作されたという新曲“話がしたいよ”。藤原自身「完璧に頭から煙が出た」と語る制作状況で生まれたこの楽曲について、次のように話す。
体力切れの状態で、とりあえず『ちょっと待って』って言って僕はベンチに座ったんですよ。それがきっと“話がしたいよ”におけるバス停だったと思うんです。“話がしたいよ”は、そういう精神世界の中のベンチに腰掛けたところから見えた風景の感覚が、そのまま曲になってます。
いつから始まっていつ終わるのかもわかんない、そういう登山の休憩所みたいなところに、どっこいしょって腰掛ける感じってあるじゃないですか。それすらも曲にできたというのが僕はすごく嬉しい。
また同時期に制作された“月虹”については、『からくりサーカス』とBUMP OF CHICKENが共有する生き方の本質に迫る言葉を聞くことができた。
“ガラスのブルース”を書いた時からずっと、千葉県佐倉市の自分ちの2階の6畳の部屋から、双眼鏡で地球の反対側の砂浜の砂のひと粒を見つけて『この言葉です』っていうような作業をやってきた。『からくりサーカス』の中の彼らもそれと同じような確率で守りたい相手と出会ってきたはずで、それを改めて自分の中で確認しながら、いつもどおり曲を書きました。
またインタビューでは、新曲の話題のほかツアー「PATHFINDER」のDVDや、藤原の「アルバム」に対しての想いも語られる。BUMP OF CHICKENは今、新たな信頼のもとに音楽へと向き合っているようだ。
自分たちの音楽に対する信頼度は昔から強固なものがあったけど、それが今もっともっと強くなっているということを、このツアーで強く感じることができました。そして、お客さんに対する信頼度も10年、20年前とは比べようがないぐらい大きくなっています。
約2万字にもおよぶ本インタビューに加え、メンバー4人での撮り下ろしフォトや、『億男』の原作者・川村元気と藤原基央のスペシャル対談も収録。BUMP OF CHICKENの「今」をあますところなく記した本記事、是非手にとって読んでほしい。