何よりもまず、夕日、かほ、大樹の3人が、このアルバムを作り上げたことに最大限の賛辞を贈りたい。昨年、バンドの絶対的中心だったくぅを突如失い、抱えきれないほどの悲しみと絶望に直面しながら、彼らは再びNEEとして音楽を鳴らすことを決めた。そしてツアーをやり、3人で曲を作り⋯⋯と、1歩ずつ確かに歩んできた軌跡のドキュメントであり、過去を背負い、今を受け止め、未来へと進んでいくという思いを結晶化させたアルバムが今作『再生可能』である。このアルバムには、喜怒哀楽、この1年にNEEが潜り抜けてきた感情がごちゃ混ぜになって詰まっている。そしてその中で少しずつ生まれてきた変化が、ひとつの物語となって聞こえてくる。冒頭の“再生”から始まったアルバムは最後の曲“まき戻し”までたどり着いたあと、ループするようにしてまた最初に戻る。それがどういうことなのか、そしてループした先で聞こえてくる“新しい惑星”の響き方がどう変わるのか、その耳で確かめてほしい。3人は今回も少しこんがらがりながら、気持ちのままに話してくれた。メンバーも、蔵馬も、スタッフも、ファンのみなさんも。
全員に対して「自分は今こういう気持ちだよ」っていうのを記しておこうと思った
インタビュー=小川智宏 撮影=小杉歩
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より抜粋)
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