もともと嬉野先生から「爆笑しながらCUTの告知をした」と伺っておりましたのでだいたい想像はついていたのですが、思ったよりも盛大にぼやいてらしたので大変感激しております。すべてCUTへの愛だと(勝手に)受けとりました。ありがとうございます!
おふたりから「本当はこんなに仲良くない」「こんなに笑うことはない」と最高のフリをいただきましたので、今度は編集部目線から撮影の裏話をしたいと思います。
たとえば動画で話題に上がった、鈴井さんと大泉さんの後ろからおふたりが顔を覗かせている写真は、藤村さんが自ら「肩に手なんか乗せちゃいますか!」と言ってやってくださったサービスショット。するとすかさず鈴井さんが「昔の『明星』みたい(笑)」と秀逸なたとえを繰り出すわ、大泉さんが藤村さんに「吐息がかかって酒くさい」とぼやくわで、思わずみんなが笑ってしまう――もちろんこちらから「仲のいい雰囲気を撮らせてほしい」とお願いはしているのですが、そうやっていつもの「どうでしょう班」の空気が自然と生まれるから、どれもあんな素敵な表情になっているんです。
どんぐりも、鈴井さんが自ら拾って嬉しそうにしてらしたのがきっかけであのようなシチュエーションが生まれたのですよ。「どんぐりをみんなで覗き込む」というのはカメラマンの藤原さんから飛び出したリクエストですが、「そんなことある!?」「俺たちはどんぐりを知らないのか!?」と次々につっこみが炸裂し、それでまたみんなが笑ってしまう。
「笑ってたら(撮影が)終わるんだもん」とはまったくその通りなのですが(笑)、わざわざ「笑ってください」なんてお願いは一度もしていなくて、ここに書ききれないほど「思わず笑ってしまった」瞬間が詰まっています。
これってつまり、こちらからあれこれディレクションをさせてもらってはいるものの、その場で自然と起きているドキュメンタリーを切りとっている写真であって、この撮影のひとコマもある種の『水曜どうでしょう』だよなあと思います。だから撮影中は生で『どうでしょう』を観ているかのようでもありました。
名調子でぼやき続けて現場を笑いの渦に巻き込む大泉さん(でも撮影が終わったら「いろいろ言ってごめんなさいね」とそっと声をかけてくださる心遣いもさすが……! ぼやき芸は場を和ませるパフォーマンスでもあるんですよね)。
大泉さんのぼやきに爆笑しながらも「大泉さん、言葉遣い悪いですよ(笑)」となだめつつ、「『CUT』さんは写真が命の雑誌ですもんね!」と現場の士気を高めてくださる藤村さん。
緑溢れる撮影場所に着くなり「やっぱり北海道はいいな〜」と顔をほころばせ、自然(主にどんぐり)と戯れるマイペースな鈴井さん。
そんな3人それぞれにつっこみを入れて笑いを誘い、我々のリクエストにも「やりましょう、やりましょう」と快く応えて場の空気をやわらげてくださる嬉野さん。
ああ、これが「どうでしょう班」のバランスだなあとしみじみと思いました。4人で何かをしていたらそれが『水曜どうでしょう』になるし、4人が集まったらいつまでも笑いが絶えない。その光景はとても眩しく見えて、この瞬間が一生続くように思えてならなくて、胸が熱くなる思いがしました。
そんなどうでしょう軍団の姿が写し出された写真の数々、必見でございます。
なお、ジンギスカンを食べている時の写真は、動画では光の加減で大泉さんのお顔が真っ白になっていましたが、実際はもちろん煙越しにばっちり映っております(笑)。その素敵な笑顔はぜひ実物の誌面でご確認ください!(小林)
掲載号の購入はこちら。