スーパー吉井和哉の誕生前夜!? 大人になったYOSHII LOVINSON@さいたまスーパーアリーナ

スーパー吉井和哉の誕生前夜!? 大人になったYOSHII LOVINSON@さいたまスーパーアリーナ

「僕も今 少しだけ大人になった」と"JUST A LITTLE DAY"で歌っていたように、YOSHII LOVINSONが逞しく骨太な大人になって帰ってきたような、感動的なライブだった。世界に通用する音を求めてアメリカに旅だったYOSHII LOVINSONが、その10年後にアメリカのミュージシャンを来日させ、日本ならではのロックをアリーナで奏でる。昨年デビュー20周年を迎えた吉井和哉の、ソロ10周年スペシャル企画「YOSHII LOVINSON SUPER LIVE」が昨日行われた。ジョシュ・フリーズ(Ds)、ジュリアン・コリエル(G)、そして初ライブ参加となるポール・ブシュネル(B)(2nd『WHITE ROOM』のほとんどの曲でベースを担当)を迎えての一夜だけの特別なライブ。筋肉質でグルーヴィーな演奏も、普段はあまり聴けないセットリストも見応えだらけ。"WANTED AND SHEEP"から"RAINBOW"、"JUST A LITTLE DAY""NATURALLY"など『WHITE ROOM
』の楽曲がライブで息を吹き返すのも、お馴染みの楽曲が新たに生まれ変わるのも、わくわくする。特に"SWEET CANDY
RAIN"といった歌謡曲的なメロディをダイナミックな演奏で聴く喜びはひとしお。アンコールの"BLOWN UP CHILDREN""ノーパン""ルビー""ビルマニア"は鳥肌ものだった。
 10月19日に行われたプレミアムライヴ「AT THE SWEET BASIL〜スイートベイジルの夜〜」ではホーンやストリングスによるアレンジが新鮮で「本当は『at the BLACK HOLE』でこれがやりたかった」とMCで語っていたが、今回のメンツでのライブもずっと彼がやりたかったこと。そして、こんな振り幅が自由にできるのはソロという変幻自在な形を選んだからなのだという、そもそもの理由が会場全体に説得力を持って伝わったはずだ。

 さいたまスーパーアリーナは、「ジョン・レノン・スーパー・ライヴ」に出演するためにバンド休止中だった吉井和哉が初めてひとりで立ったステージでもある。その出発点でもある場で10周年を迎えられたことが嬉しいと、彼は後半のMCで語っていた。さらに、「イエローモンキーの吉井和哉も、YOSHII LOVINSONも、吉井和哉も合体して、今度はスーパー吉井和哉になる」とも。イエローモンキー最後の東京ドームで「普通の野良犬に戻ります」と言った彼が、「スーパー」になると言った。もちろんタイトルにひっかけた("ウェルカム・トゥ・マイ・ドッグハウス"と後楽園球場で解散したキャンディーズの「普通の女の子に戻ります」という言葉)言葉のあやにせよ、その心意気が嬉しいし、伸びやかで自信に溢れた歌声が何よりもその言葉にリアリティを与えていた。
このライブで、吉井和哉は心身ともにYOSHII LOVINSONを卒業したのだと思う。もちろん卒業しても、これは彼の深い場所にある表現衝動の一部だし、なくなるわけはないけれど。
ちなみに、プレミアムライヴ「AT THE SWEET BASIL〜スイートベイジルの夜〜」は12月18日に映像作品としてリリースされる。今までのどのライブとも違う、今後の表現の広がりも予感させるパフォーマンスなのでファンは必見。4日には、THE YELLOW MONKEYのドキュメンタリー映画『パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE』の映像作品、アルバム14作品のリマスター盤が同時にリリースされたばかり。『パンドラ』は多くのロックファンが絶対観るべき作品なのでぜひチェックを。(http://ro69.jp/blog/cut/89579 →内容は映画公開時のブログを読んでください)。
また昨日から、イエローモンキーのチャリティーオークションも開始。http://urx.nu/5S1o
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