それは、発売中の「ROCKIN'ON JAPAN」6月号のsumika別冊でのインタビューでも片岡が語ってくれた言葉だ。
sumikaはエンターテインメントを届けるバンドだ。彼らのライブはエンターテインメントであり、ショーであり、そして間違いなくライブである。「バンドに戻してくれる引力っていうのかな。sumikaが引き寄せる力ってこんなすごいんだなって」
あの日僕は、我々オーディエンスは、リスナーではなくプレイヤーとして、sumikaの音を聴いて、観て、浴びていたのではなく、sumikaをやっていた。sumikaになっていた。そんな実感を伴う不思議な「引力」が感じられた。
その引力がもたらすものこそが「一体感」というやつで、sumikaはこの「一体感」というものを非常に大事にしてきた。
彼らのリスナーはいつだって一つの大きなsumikaの中にあって、そこを出たり入ったりしながら生きている。
5月15日にリリースされた『Unmei e.p』は、我々リスナーの心に宿るsumikaというものをさらに拡張するような1枚。
《運命/願っているよ願っているよ/ただ祈っているよ/来明どうなっていても/ミステイクもユーモアさ》
厳しい言葉は言わないし、甘やかすわけでもなく、彼らはただ願う。ただ祈る。
今回、JAPANでは昨年迎えた10周年からの激動の1年を振り返りつつ、未来へと羽ばたく彼らの今を別冊という形に綴じ込めた。
フォトセッションでは3人に巨大紙飛行機を作ってもらい、それを空高く飛ばすというセレモニーを実施。
紙飛行機は、まっすぐに、本当にきれいに風に乗って飛んでいった。
sumikaが持つ引力とはなんなのか、ぜひ彼らの言葉を、真意を誌面で確かめてほしい。(橋本創)
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