RADWIMPSのコミュニケーション

RADWIMPSのコミュニケーション

今日はRADWIMPS、横浜アリーナへ。

なにしろRADWIMPSのライヴ自体久しぶりであって、メンバーもさることながら、オーディエンスだって久しぶりのことなのだ。
そのせいもあってか、序盤は双方のテンションがちぐはぐに感じられる局面もあったが、中盤以降一気に高揚していく一体感はさすがにすさまじいものがあった。
野田自身がメンバーへの思いや、かつて抱いていた思いを語り歌うことで生まれるストーリーにオーディエンスが感情移入し会場自体が高まっていくというのが、RADWIMPSの魅力であり最大の個性でもあるが、そのメカニズムは今日、単に感動的であるだけでなく、オーディエンスひとりひとりに自身の人生を振り返らせるような説得力に満ちたものだった。
ここでの野田はメンバー4人という単位でストーリーを綴るが、このとき、オーディエンスもまた、自分の内省的なストーリーだけでなく、仲間や家族や横にいる友達や恋人のことを思い浮かべながら感情移入していく。
ここには、ひとり対4人(かそれ以上)の関係が観客のぶんだけある。
そして生まれるエモーションの塊はセンチメンタルと呼ぶにはあまりに強烈で、センセーショナルと呼ぶにはあまりにあたたかいものだ。
ひとりのオーディエンスと果てしないエモーションを繋いでみせる、全方位的なコミュニケーション。
その真ん中で懸命に手を伸ばし、無数のつながりを生み出す存在、それがRADWIMPSなのだと思う。
それは極めて音楽的な奇跡であり、なによりポップミュージックであることとはこういうことなのだとも思う。

明日は2日目。きっともっといいんだろう。(小柳)
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