スティーヴィー・ワンダーが、人種差別に抗議するNFL選手へのトランプの発言に反発しステージで跪く。グリーンデイもトランプに反発。[グローバル・シチズン]

スティーヴィー・ワンダーが、人種差別に抗議するNFL選手へのトランプの発言に反発しステージで跪く。グリーンデイもトランプに反発。[グローバル・シチズン]
Photo by Sachyn Mital

9月23日、NYのセントラルパークで、毎年恒例となっているチャリティ・コンサート、グローバル・シチズンが開催されたので行って来た。その中で現在最大の話題となっているのは、ヘッドライナーだった、スティーヴィー・ワンダーが、トランプに抗議して、ステージで跪いたこと。

チャリティ・イベントは全世界で中継され、その全編が今ならYouTubeで見られる。スティーヴィー・ワンダーが跪くシーンは、4時間44分くらいから。


彼は、ここで「私は、今日、アメリカのために跪く。それも片膝ではなくて、両膝で。両膝をついて、地球のために、未来のために、世界のリーダーのために、祈りを捧げたいと思う」と語り大歓声を受けた。

これは、現在アメリカで大論争となっているトランプの発言を受けて、それに反発の意を表して行ったものだ。トランプは、イベントの前日22日に、支援集会で演説を行い、その中で、NFLの試合の前の国家斉唱で起立しない選手はクビにするべきであり、ファンは試合をボイコットするべきだ、と述べたのだ。しかもその言葉使いが最悪でなんと、「"son of a bitch" (くそ野郎)は、フィールドから今すぐつまみ出せ。クビだよ、クビ!」と語ったのだ。大統領が、”son of bitch"という言葉を公の場で使ったというだけでも衝撃的だ。

スティーヴィー・ワンダーが、人種差別に抗議するNFL選手へのトランプの発言に反発しステージで跪く。グリーンデイもトランプに反発。[グローバル・シチズン] - Photo by Sachyn MitalPhoto by Sachyn Mital

アメリカでは、現在「跪く」ことが、トランプへの抗議として行われている。元々は、去年NFLの選手であるコリン・キャパニックの行動に始まったもの。彼が、人種差別と警察官による黒人への不当な暴力に抗議し、試合の前の国歌斉唱の時に起立せずに、片膝を付いたのだ。これはいまだにアメリカでも大きな論争となっている。ケンドリック・ラマーは、彼の行動を支持するラップを披露していて、ミュージシャンの中には、彼の勇気ある行動に賛同する人達が多くいる。オバマ大統領は、見方によっては混乱したメッセージを送ってしまうとしながらも、支持していた。

NFLは、トランプの発言に反発し、選手の言論の自由を支持するという声明文を発表している。その詳細は、NFLの日本の公式サイトで読める。

またNFLに留まらずこの週末には、NBLの選手も国家斉唱の際に跪き話題となっていた。NBLも、同様に選手の言論の自由を支持するという声明文を発表している。

しかし、トランプは、さっそく、NFLの試合は退屈すぎて、観客数は減っているし、TV視聴率も下がりっぱなしだ、という内容のツイートで反撃している。

さらに、トランプの攻撃は、NFLに留まらず、同じくこの週末に、NBAのチームと選手にまでおよんでいる。なんと優勝したゴールデン・ステイト・ウォーリアーズの選手ステフィン・カリーが、トランプの政策に反発し、招待されてもホワイト・ハウスに行かないと発言していたため、「ホワイトハウスに来ることは、優勝したチームにとっては名誉なことである。だが、ステフィン・カリーが躊躇しているようなので、招待は取り消しだ!」とツイートしたのだ。カリーは、これに対して、驚きを隠し切れず、「リーダーの行動とは思えない」と発言している。

またNBAの選手であるレブロン・ジェームズの発言が一番的を得ているような気がする。「スポーツは、我々を団結させるものであるということは、もうみんな分かっていることだ。しかしそれを我々をさらに分断させるために使おうとする彼の行動には我慢がならない。黙っているわけにはいかない」。

チャンス・ザ・ラッパーなどが早速、ジェームズのコメントに賛同。「アメリカ大統領が、世界が終ろうかという大問題が起きている最中に、言論の自由を主張する黒人のスポーツ選手を標的にして挑戦状を叩き付けている」というツイートをしている。


つまり、説明が長くなってしまったが、トランプは、この週末に黒人スポーツ選手への批判的な行動をいくつも続けて起こし、それが大論争となっているその最中に、アイコンであるスティーヴィー・ワンダーが、世界で中継されている音楽イベント、グローバル・シチズンのステージでなんと両膝で跪いたので、大きな話題となったのだ。

グローバル・シチズンは、世界から2030年までに貧困をなくそうという目標を掲げて毎年行われている。

今年、スティーヴィー・ワンダーの他に出演したのは、グリーン・デイザ・キラーズザ・ルミニアーズザ・チェインスモーカーズ、ビッグ・ショーン、アンドラ・デイ、アレッシア・カーラで、ファレルがなんと、スティーヴィー・ワンダーと共演し、”ハッピー”、”ゲット・ラッキー”、さらに、なんと”スーパースティション”まで披露するという超豪華な内容だった。ファレルは、「まさかスティーヴィー・ワンダーと同じステージに立てるなんて」と何度も喜びを隠せない様子で語っていた。スティーヴィー・ワンダーは、ジョン・レノンの”イマジン”もカバーした。会場のセントラルパークに面したアパートに住んでいたジョン・レノンに「ここから10ブロックのところに住み、そしてそこで亡くなったジョン・レノンを讃えたい。彼のスピリットは今も生きているから」と語った。

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またグリーンデイのライブが1秒1秒感動的で、"アメリカン・イディオット”の歌詞を一部変えて、「I'm not a part of Trump America(=俺はトランプのアメリカには属しちゃいねえ)」と歌い、トランプを攻撃した。また”ホリデー”では、「俺達は、世界を再び偉大にしてみせるんだ!」と、トランプのスローガンである”MAKE AMERICA GREAT AGAIN”の、「アメリカ」を「世界」に変えて叫んだ。

スティーヴィー・ワンダーが、人種差別に抗議するNFL選手へのトランプの発言に反発しステージで跪く。グリーンデイもトランプに反発。[グローバル・シチズン] - Photo by Sachyn MitalPhoto by Sachyn Mital

さらに、”ブルバード・オブ・ブロークン・ドリームズ”では、「携帯で光を付けろ」と言い、セントラルパークに集まった6万人が携帯をかざした瞬間があまりに美しかった。そこでビリー・ジョーが、「見てみろ!お前達は今本当に本当に美しい。俺達は世界を変えるんだ。正義のために、光を付けるんだ。今すぐに!」「これは俺が人生で見た最も美しい瞬間だ」「これは、政治集会じゃない。これは、祝祭なんだーー!!」と叫び鳥肌が立つ程感動した。彼らこそ、この1曲1曲を、「最も美しい瞬間」にするために魂を込めた演奏をしていて、ラブロン・ジェームズが語っているように、スポーツのみならず音楽も、人を分断させるのではなくて、違う意見や背景を持った人達を団結させることができるのだということを示していたと思う。

スティーヴィー・ワンダーが、人種差別に抗議するNFL選手へのトランプの発言に反発しステージで跪く。グリーンデイもトランプに反発。[グローバル・シチズン] - Photo by Sachyn MitalPhoto by Sachyn Mital

そして最後に、「みんなで戦い続けるんだ!」とライブを終えた。

グリーンデイの演奏は、3時間40分くらいから始まる。セットリストは以下の通りだ。

1. Know Your Enemy
2. Holiday
3. Boulevard of Broken Dreams
4. Basket Case
5. Minority
6. American Idiot
Encore
7. Wake Me Up When September Ends
8. Good Riddance (Time of Your Life)

最新作の『ワンダフル、ワンダフル』を発売したばかりのザ・キラーズも、ヒット曲を連発の出し惜しみのないセットリストで、観客を盛り上げ続けた。その模様をバンドがインスタグラムにアップしている。



スティーヴィー・ワンダーのセットリストは以下の通り。5時間36分くらいで”We Are the World”を歌っている時にファレルが登場する。
1. Master Blaster
2. Higher Groud
3. As If You Read My Mind
4. Singed, Sealed Delivered I'm Yours
5. Overjoyed
6. I Just Called to Say I Love You
7. Don't You Worry 'bout a Thing
8. Living for the City
9. Isn't She Lovely
10. Sir Duke
11. You Are the Sunshine of My Life
12. My Cherie Amour
13. We Are the World
14. Get Lucky with Pharrell
15. Superstition with Pharrell
16. Happy with Pharrell
17. Imagine
18. Happy with Pharrell
19. I Wish

ザ・キラーズのセットリストは以下の通り。演奏は1時間20分くらいから始まる。
1. Mr. Brightside
2. All These Things That I've Done
3. Read My Mind
4. When You Were Young

YouTube映像はいつか消えてしまうと思うので、お早めに!
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