米銃社会、差別社会を痛烈に描いたチャイルディッシュ・ガンビーノの新MV“This Is America”(=これがアメリカ)が凄まじい。必見

米銃社会、差別社会を痛烈に描いたチャイルディッシュ・ガンビーノの新MV“This Is America”(=これがアメリカ)が凄まじい。必見

週末の『サタデー・ナイト・ライブ』に出演したチャイルディッシュ・ガンビーノが、番組でパフォーマンスをする直前に突如新曲“This Is America”のMVを発表した。その内容がすごくて激震が走っている。必見。こちら。


駐車場というそもそも怪しい設定の中、しかし快活なギターと上半身ギターで踊るガンビーノに始まる映像は、バースが始まった途端に突如背筋も凍るような情景に変わる。フードを被った男性が撃たれるのだが、ガンビーノは「これがアメリカだ」と訴える。だから、「気を付けろ」と。

このMVでは基本的にはそれが繰り返される。
「金が欲しい」「パーティがしたい」と無邪気に流行りのダンスをする高校生。その後ろでは、“Black Lives Matter”を象徴するような悲劇が繰り広げられているのに、若者たちは気づいていない。

この後ガンビーノは、教会で歌うコーラス隊をAK-47で無差別に射殺する。そして、「これがアメリカ/銃は俺たちの街では保持できるし/だから俺だって持っていい」と続くのだ。

これがアメリカだ、と、銃社会を批判し警告をする。

そして2番では自分自身を語り、自分はオタクで仕事もしてるし、体も鍛えているし、顔も可愛いし、グッチも着てるけど、と言った後に、「これは携帯だ/いや銃だ」と凍りつくような現実を描いている。これは恐らく、自宅の庭でiPhoneを見ていただけなのに銃だと判断した警察がアフリカ系アメリカ人を殺した、カリフォルニア州の事件について述べているのだと思う。

最後には、どんなに金を稼いでも「この世の中においては、黒人としかみなされない」と終わる。つまり銃社会のみならず、差別社会も描いているのだ。

そしてガンビーノは血相を変えて逃げようとしている。

この曲を「これがアメリカ」と名付けることが凄い。アメリカのリアリティはこれなんだと叩きつけている。

このMVを監督したのは、Hiro Murai。ガンビーノは、ドナルド・グローバーとして俳優業のみならず監督・脚本も手がけていて、アメリカでは現在テレビ番組の『アトランタ』の第2シーズンが放送中だ。そこで、グローバーはもう天才としか言いようがない才能を発揮している。Hiro Muraiはその『アトランタ』を第1シーズンから監督しているグローバーの大事なコラボレーターだ。

この曲がこのMVあって完成するという作品になっているのは、これまでのコラボレーションの成果でもあると思う。Muraiは、東京生まれでLAを拠点に活躍する監督。これまでにも、フライング・ロータスブロック・パーティクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジなどのMVも手がけている。

このMVは各所で絶賛の声が上がっていて、辛口かつアーティスティックなセンスが最高のトレント・レズナーも、「MVを最後まで見たのっていつのことだったか覚えてないけど、このMVは5回連続で見た。最高!」とツイートしていたくらいだ。


ガンビーノはあまりに多才で、実は『SNL』では音楽ゲストのみならずホストも務め、ほぼ全編に出演していた。カニエ・ウェストの騒動を、最近アメリカで大ヒットしているホラー映画“The Quite Place”でパロディにしていたのが笑った。

この日は早速“This Is America”をライブで披露した他、もう1曲の新曲“Saturday”も披露。ガンビーノは、次のアルバムがラスト・アルバムという発言もしている。9月にはその名も“THIS IS AMERICA”というツアーを開始することになっている。この分で行くと、“ラスト・アルバム”が早々に発売となる可能性もある。


その前に、アメリカでは5月に『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開となる。最近、ランドを演じる彼がミレニアム・ファルコンの中を紹介した映像が解禁となり、盛り上がっていた。


日本の公開は6月29日。
予告編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=t4cMB2eVXa8
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