フェニックスがソフィア・コッポラ監督新作の主題歌を発表。ソフィアもビル・マーレイ主演の新作予告編を同時公開

フェニックスがソフィア・コッポラ監督新作の主題歌を発表。ソフィアもビル・マーレイ主演の新作予告編を同時公開 - pic by Shervin Lainezpic by Shervin Lainez

ビル・マーレイ主演、ソフィア・コッポラ監督の新作で、NYを舞台にする映画『On The Rocks』の予告編が公開された。

同時にフェニックスが映画の主題歌となる新曲”Indentical"を発表した。また、フェニックスは、アップルミュージックのZane Loweのインタビューに答えて、ヘビメタからカントリーまで探求した?という新作についても語っている。

1)フェニックスが新曲”Indentical"のMVを公開。監督はローマン・コッポラ。


届いたプレスリリースによると、この曲は、ソフィア・コッポラ監督の新作『On The Rocks』の主題歌として映画のエンド・クレジットで流れる。またフェニックスは映画のスコアも手がけ、映画の中で使われる曲の選曲も担当している。ソフィアは、フェニックスの曲"Too Young"を、同じくビル・マーレイ主演で、東京で撮影された『ロスト・イン・トランスレーション』でも起用している。

それ以来、これで5回目のコラボとなる。

2)「ファースト・アルバムを彷彿とさせる」。フェニックスが新作について語る。

フェニックスはこの新曲の公開に合わせてアップルミュージックのZane Loweの番組に出演し、新作についても語っている。まずこの新曲が彼らのアルバムにも収録されるだろう、と。

トーマス・マーズは、「"Identical"は映画のために書き下ろした曲だけど、バンドの新作にも収録されることになると思う。ただし、この曲はアルバム全体のサウンドとは違う曲ではあるんだ」と語っていた。「というか、アルバムは色んな方向に行っている作品で、でもそれが全体としては成立するものになっている」と。

フェニックスがソフィア・コッポラ監督新作の主題歌を発表。ソフィアもビル・マーレイ主演の新作予告編を同時公開

「このアルバムが色んな方向に行っているのは良いことだと思う。ミュージシャンとしてはそれが最もエキサイティングでもあるからね。統一性がなくて、僕らのファースト・アルバムの『United』みたいな感じでもある。ヘヴィメタルからカントリーまでを探求したような曲があるんだ。だからすごく奇妙なフランケンシュタインみたいなアルバムになると思うよ」

3)ソフィア・コッポラが新作『On The Rocks』の予告編を解禁。

https://youtu.be/Xn3sK4WiviA

『ロスト・イン・トランスレーション』以来のソフィアとビル・マーレイのコラボとなる、NYが舞台の最新作『On The Rocks』が10月に劇場公開予定。同時にアップルTV+でもストリーミングされる。

フェニックスがソフィア・コッポラ監督新作の主題歌を発表。ソフィアもビル・マーレイ主演の新作予告編を同時公開

物語は、ラシダ・ジョーンズ演じる幸せな家庭に恵まれたローラが、最近帰りが遅くなった夫が会社の同僚と浮気しているのでは?という不安に陥る。そこで、チャーミングで人生を謳歌してきたビル・マーレイ演じる父フェリックスに相談。NYの街を2人で楽しむ中で、父娘の関係性を見出していく、という物語だ。

この予告編を見ると、NYの有名な老舗バーやフレンチ・レストラン、プラザ・ホテルなどが登場しているので、恐らくフェリックスが若い時から通っていた古き良きNYの名所が登場する作品にもなるのだろう。

また、ラシダが映画の中で着ているストライプのシャツは、ソフィアがそのまま着てそうだし、彼女自身も子供が2人いて、NYに住んでいて、夫はロック・バンドのボーカルでツアーとなれば忙しく世界を飛び回っている。父は言わずもがなだが偉大な存在だ。この作品には、彼女がこれまでも映画の中で描いてきた女子の永遠の憂鬱と彼女自身も重ねられているような気がする。

ちなみにラシダ自身も成功する女優であり、作家でもあるが、ご存知のように父はクインシー・ジョーンズで、パートナーはヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグ。2018年に子供が生まれているので、その直後にこの作品に主演したのだと思う。ソフィアとラシダと主人公のローラにも共通するところが多い。

エンターテインメント・ウィークリー誌に映画の場面写真が公開されている。


そこで、ソフィアが今作について語っている。今作は、元々は軽くて楽しいロマンチック・コメディとして着想したということ。しかし、彼女の友達が自分の夫が浮気しているのでは?と疑い出した話を聴いてこの作品を思いつく。さらに彼女自身も、子供が生まれた後、クリエイターとしての自分、年を重ねること、その中での結婚生活、年代による性差別のあり方の違いなどについて、いかにバランスを見つけるのか悩み始めていた。正にタイトルの意味する「行き詰まり」だ。それもこの作品に影響している。

全体としてはあくまで軽い楽しい作品にしようと心がけながら、父と娘という2世代の違う考え方を持った2人を主人公に、古き良きハリウッドのスクリューボールコメディとNYとソフィアのメランコリーを混ぜた作品になっているよう。

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