『BABYMETAL革命・完全版』を見た! 改めて「戦うBABYMETAL」のリアルに感激
2016.05.07 13:00
「戦ったからこそ見えてくる景色があると思うんですよ。その先も……もっと先を、私たちはできるんじゃないか、っていう想いがあるから、戦い続けるんだと思っています」……番組の最後にSU-METALが語ったスケール感あふれる言葉が、そのまま等身大のものとして響いてくるところが、今のBABYMETALの凄味を何より象徴していると思う。
すでに『MUSIC JAPAN』最終回特番で放送された時にも胸焦がされまくった『BABYMETAL革命 ~少女たちは世界と戦う~』の完全版としてオンエアされた今回の『BABYMETAL革命・完全版』。新たに“あわだまフィーバー”が追加された白熱のライブ映像のみならず、初ワンマンの地=目黒鹿鳴館を訪れ「呼吸するのも大変なぐらいのライブだった」と思い出を語る3人の表情、世界フェス歴戦の熱狂ぶりに至るまで何度観ても最高だったが、個人的に一番感激したのはやはり「ex.メガデス」マーティ・フリードマンとの対談の場面だった。
「BABYMETALでいつも新しい自分に出会えてる。それはメタルとカワイイを合わせたBABYMETALでなければ経験できてない」というYUIMETALの言葉を受けて、「メタルとカワイイの融合がどれだけ新鮮かわかる? BABYMETALのおかげで、メタルの他の可能性が開けてる」「ダンスとメタルは融合しちゃいけないものだったけど、BABYMETALがするとみんなに気に入ってもらえる」とマーティ。さらに「音楽だけじゃなくてダンスも世界共有」(MOAMETAL)、「言葉は壁じゃない。ずっと日本語で歌ったほうがかっこよくて神秘的」(マーティ)、「海外のお客さんも日本語を勉強して一緒に歌ってくれる。私たちが『日本を伝えていた』ことに、ツアーを回って気づいた」(SU-METAL)という会話が次々にBABYMETALの現在地を解き明かしていく図は、まさに痛快そのものだ。
アルバム『METAL RESISTANCE』タイミングでは『ROCKIN'ON JAPAN』誌はじめ多数メディアに登場している彼女たちだが、ヘヴィメタルシーンのリアルを熟知したインタビュアー=マーティの温度高い質問に真っ向から答える3人の姿は、10代の若さで世界のシーンに臨み、アウェイの場所を次々にホームグラウンドへと引っくり返してきたBABYMETAL像をよりいっそう強烈に伝えてきた。ワールドツアーの先に広がる9.19東京ドームの風景を、今はただ胸躍らせながら待つのみだ。(高橋智樹)