麗しのクワイアでありゴスペルであると同時に、高純度なポップスでありロックでもあるような3人の歌声が、音楽の神秘と輝きへ真っ直ぐ手を伸ばすように響く、至上の音楽空間。
Wakana／Keiko／Hikaruが織り成す極上のハーモニーに触れれば触れるほど、さらに音楽の奥深くに広がる景色を見てみたくなる。やはりKalafinaのライブは何度見ても特別だ。

神戸ワールド記念ホール＆日本武道館各2DAYSにわたって行われている、Kalafinaのアリーナツアー「Kalafina Arena LIVE 2016」、武道館1日目。
武道館でのライブは昨春のベスト盤タイミングのワンマンに続いて2度目ということもあって、ショウとしてのエンターテインメント性がグレードアップしていたのも大きな特徴だが、それによって彼女たちの歌とコーラスが格段に表情豊かな訴求力を増していたのが何より印象的だった。

時に刃のように鋭く、時に羽衣のような質感で、と瞬間ごとに変幻自在な色彩を描き出すKalafinaの歌世界。ファンタジックな響きに満ちていながら、紛れもなく今この時代を震わせる波動でもある。そんな歌のマジックが、パワフルなバンドサウンドをもリードするほどのグルーヴをもって、満場の武道館をこの上ない多幸感で包んでいた。

明日の武道館2日目もあるので、楽曲や演出の詳細はここでは割愛するが、アグレッシブな熱唱に胸が震える場面が幾度も押し寄せる名演だったことだけは間違いない。年末にはクリスマスならではのストリングス＆ピアノ編成のスペシャルライブ「Kalafina with Strings」がツアー形式で開催！（高橋智樹）