まさに音楽の豊かさそのもの。これまでに観たどんな「武道館ライブ」とも異なる、最高の一夜だった。

「Mr.Children Hall Tour 2016 虹」の後半戦、日本武道館公演。長らくロックバンドの通奏低音となっている「ライブハウス武道館」的な価値観とはまったく異なる、体温と情感がその音の隅々にまで満ちあふれる音楽空間が、そこには確かに広がっていた。
僕自身も5月の茨城公演で、このホールツアーの意味合いやそこにこめられた想いは十分に受け取っていたはずだったが、桜井の「音で触れ合いたい」という意志をそのまま武道館という大会場に持ち込んだこの日のステージは、想像を遥かに超えて豊潤で、伸びやかだった。

メンバー4人とSUNNY（キーボード）に加え山本拓夫（サックス）、Icchie（トランペット、トロンボーン）、小春（アコーディオン／チャラン・ポ・ランタン）を加えた8人編成のアンサンブルは、いよいよそれ自体がひとつの音楽的生命体のような包容力と躍動感を体現しつつある。演奏曲目などこの日のアクトの詳細は、ツアー終了後に改めてレポートします！（高橋智樹）