X JAPAN、新曲“La Venus”世界初披露! YOSHIKIが『SONGS』で語った使命感とは?

X JAPAN、新曲“La Venus”世界初披露! YOSHIKIが『SONGS』で語った使命感とは?

「X JAPANが新曲“La Venus”を世界初公開」ということで、放送前から大きな注目を集めていた今月17日のNHK『SONGS』。
しかしこのオンエアは、「スタジオライブ+ドキュメント」という番組の枠組みを大きく越え、「なぜX JAPANは多くの困難を越えて進み続けるのか?」という根源的な命題にまで踏み込むような衝撃的な内容だった。

解散、HIDEの死、TOSHIの洗脳、TAIJIの死、PATAの手術に伴う活動休止……バンドを襲った困難をひとつひとつ解説するナレーションとともに、オンエア映像はドキュメンタリー映画『We Are X』のプロモーションで世界中を飛び回るYOSHIKIの姿を丹念に追いかけていく。

「X JAPANのストーリーが、決してサクセスストーリーというわけじゃないと思うんですけど、ある人たちに対して勇気を与えることができるんじゃないかと。人の命を救うことができるんじゃないかと」

「人の人生なんて挫折と何かの繰り返しじゃないですか。だけど何か常に前を向いていれば、どこかでそれを乗り越えられるんじゃないかみたいな。映画を観て確信したというか」

そんなYOSHIKIの言葉を交えながら、今回スタジオライブで演奏されたのは、“BORN TO BE FREE”と“X”、さらに「HIDEの愛した曲」という紹介とともに“Tears”。
そして、「暴力的なドラム」と「悲しみを湛えた美しいピアノ」というX JAPANの――というかYOSHIKIの表現の根源が、幼い頃にクラシック音楽を教えてくれた父親の自殺にある、という点に迫っていく。

「どうしていいか わからなくなっちゃったんですよ。当時 知ってたのはクラシック音楽だけ。その中で同じ時期にロックに出会ったんですけど。本当に父親が死んだ時も 家で毎日泣きわめいて、2階から飛び降りようとか 壁に頭叩いたり……そうしてるときに ロックってそのすべてが何か正当化されるものじゃないですか。それが すごくうれしくてっていうか。『ああ 生きる道を見つけたんだ』と思って」

自分が直面した果てしない絶望と、それを救ってくれた音楽。
その経験を糧に今、混沌の中で自分を見失っている世界中の音楽ファンのために、YOSHIKIはその「救いの音楽」そのものになろうとしている――という切実な使命感を、ギプスやコルセットで満身創痍な状態でなおステージに向かうその姿はリアルに伝えていた。

そして、番組の最後に披露された新曲“La Venus”。

「僕たちが死ぬまで僕はあなたのことを愛すよっていう、永遠の愛みたいなものを語った……『すべてのものは壊れていくけど、僕たちは変わっていくけど、でも その愛は変わらない』みたいな。X JAPANのHIDEとかTAIJIとか、いろんなことがあったなかで できた曲だと思っています」(YOSHIKI)という凄絶な想いを、TOSHIが歌うこの上なく美しいメロディとミディアムビートの流麗なサウンドスケープに重ね合わせた、新たなX JAPANの凱歌となるべき名曲だった。

《’Til we die I’ll be the roses you tear/So don’t you cry/It’s the end of the world》……美とカオスが渾然一体となって咲き誇る新曲“La Venus”に、改めてX JAPANの真髄を観た、そんなひとときだった。(高橋智樹)
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