現在発売中のロッキング・オン12月号では、ミューズのライブレポを掲載しています。以下、本記事の冒頭部分より。
文=粉川しの
実に約8年ぶり、待ちに待ったミューズの来日公演がついに実現! ……なのだが、実際にライブを観る前には、今のミューズは彼らのキャリアにおいて、どんな地点にいるのか? という疑問があった。そもそも8年もブランクが空いたのは、彼らが直近2作のアルバムのツアーでは来日しなかったからで、最新アルバム『ウィル・オブ〜』だって、既に3年前の作品だ。だから日本公演を含む2025年のアジアツアーはどこか宙ぶらりんで、偶然と必然の空白が重なり、彼らの現在地が不透明なまま日本にやって来たのは否めないだろう。今回の来日は、『ウィル・オブ〜』ツアーの周回遅れのアウトロなのか? それともミューズの新章の早すぎるイントロなのか? それも見極めたくてKアリーナに向かった。
結論から言うと、ミューズの約8年ぶりの来日公演は、彼らのキャリアにおけるアウトロでもイントロでもなかった。何しろ舞台は久しぶりの日本、相対するのは彼らをずっと待っていたロイヤルなファンだ。まず真っ先にやるべきは、ファンとバンドの間に横たわる空白を猛烈な勢いで埋めることであり、これがミューズなのだと、互いに再確認することであり、今回のミューズの来日公演は、彼らがその意義を十二分に自覚した上で繰り広げた、超絶エッセンシャルなギグだったと言えるだろう。
(以下、本誌記事へ続く)
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