ザ・ビートルズの中期の傑作、1966年の『リボルバー』の「スペシャル・エディション」が10月28日にリリースされるが、今回の目玉となるのはジャイルズ・マーティンらによるステレオリミックスだ。
これはリマスタリングとは違って、いったん音源をデジタル技術で楽器ごとに分解し、リストアしたうえで、再び組み直すリミックス作業だ。
もちろん、できるだけオリジナルに忠実に再現するのが鉄則だが、実はこの時期のビートルズは4トラックの録音機材ですさまじい多重録音を行っていたため、どうしてもバランスがいびつになってしまい、それが逆に魅力のひとつともなっていた。
今回はかつてのステレオサウンドの印象をできるだけ崩さない、ダイナミックなリミックスになっていて、特にドラムとヴォーカルが格段に前面に押し出された画期的な音像になっている。『リボルバー』は、端的にビートルズのロックとポップとサイケがほどよく混ざった名作なので、こういう形でも聴けるのはとても嬉しいことだ。
次号のロッキング・オンでは、この『リボルバー』リリース直後のバンドメンバーによるインタビューを掲載します!
そしてさらに、このスペシャル・エディションをいち早く試聴した筆者と大鷹俊一さんの対談を敢行。新しいミックスの魅力を二人で語り尽くしていますので、インタビュー記事と併せてぜひご一読ください!(高見展)
ザ・ビートルズの『リボルバー』スペシャル・エディション特集は、11/7(月)発売のロッキング・オン12月号に掲載します