色褪せないから一流だ

ダヴズ『ザ・ユニバーサル・ウォント』
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ALBUM
ダヴズ ザ・ユニバーサル・ウォント

ダヴズ・イズ・バック。2000年のデビュー作がいきなりプラチナ・セールス、その後2作目、3作目と連続で全英1位を獲得し、2009年の4作目も全英2位を記録と、紛れも無くトップランナーとして2000年代を駆け抜けた彼ら。その後の活動休止中はジミのソロやウィリアムズ兄弟によるブラック・リヴァーズとしての活動もあったが、やはりこのトリオへの渇望は収まらず、復活を望むオンライン署名まで行われた末、2019年3月のロイヤル・アルバート・ホール公演をもって活動再開。11年振りのスタジオ・アルバムとなる本作はまさしく待望の1枚となる。その中身はというと、オープニングの“カロセルズ”から思わず歓喜に手を叩いてしまう、貫禄の出来栄えである。緻密さがダイナミックさに直結する秀逸なビート構築に、下品なフックを一切盛り込まずなおキャッチーな気高いメロディ、そして憂いと力強さが同居したボーカル。あの日のままのダヴズでありながら、2020年の今日においてもまるで埃をかぶっていない。思えば、かつて2作目の国内盤の帯に「マンチェスター発の激渋ギター・バンド」と書かれたように、当時雨後の筍のように群生した叙情的なメロディにステータスを全振りしたバンド達や〇〇リバイバルと括られたバンド達と比べ、マンチェスターの偉大なる先達の多様なストロング・ポイントを濾過して少しずつその身に宿したような総合力の高さが魅力であったダヴズは、ここ日本においてはややアピールに窮する部分もあったかもしれない。しかしながら、良くも悪くもロックが大衆音楽の中心から退いた今、この純粋な質の高さこそが勝ちの条件であるように思えてならないのだ。「時代がダヴズに追いついた」、そう豪語したくなる誘惑を、本作は纏っている。 (長瀬昇)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。
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ダヴズ ザ・ユニバーサル・ウォント - 『rockin'on』2020年10月号『rockin'on』2020年10月号
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