miletの歌を聴くたびに、「あなたは誰?」と問われているように感じる。彼女の、存在そのものが震えているような歌声の中では、「人はひとりじゃ生きられない」という叫びも、「人は誰しもがひとりなんだ」という根源的な認識も、命が生む問いも答えも、すべてが混ざり合うからだろう。アンビバレントであることを受け入れながら、「歌う」ことを通して、彼女は彼女自身の実存に潜っていく。
この4曲入りEPでも、そんなmiletの芯を深く感じることができる。表題曲“Ordinary days”は全編日本語詞。
蔦谷好位置をプロデュースに迎え、ブラスをフィーチャーした覚醒感のあるアレンジも相まって、力強くも親密な楽曲に仕上がっている。この不安定な時代の中にあって、miletは「私」が「私」であることの強さと弱さ、確かさと不確かさを赤裸々に紡ぎ、そして零れ落ちる他者への愛を繊細に歌の中で拾い上げることで、「普通の日々」の普遍的な奇跡を見出す。《Help me》と歌いながらアンニュイに笑ってみせる3曲目“Castle”も、メランコリックだがしなやかな身体性があり、聴き応えがある。(天野史彬)
『ROCKIN'ON JAPAN』10月号より