ドラマ『やんごとなき一族』の主題歌として書き下ろした “Walkin’ In My Lane”は、弾けるようなビートと、伸びやかな
miletの歌声が耳にまっすぐ飛び込んでくるキャッチーなポップソング。聴く者を大きく包み込んで背中を押してくれるような、そんなエネルギーに満ち溢れている。「私は私らしく、そしてあなたはあなたらしく、それぞれの人生を冒険できるようにと想いを込めて書いた」というmiletの言葉の通り、この歌はとても力強く頼もしい。スタッカートを効かせて韻を踏むサビなどは初めて聴いてすぐにも口ずさみたくなる、miletの陽のポップネスが全開の一曲だ。一方でカップリングの“My Dreams Are Made of Hell”は全編英詞のミニマルでダークな楽曲。この不穏なビート感と深くゆらぐような歌声には強烈な引力を感じる。この没入を誘うダークサイドもまた、miletの魅力のひとつだ。そして、明確に両極を見せるこの2曲をつなぐように“Love When I Cry”があり、穏やかに心地好く体を揺らしてくれる。全3曲、非常にバランスよくmiletの歌の本質に触れられるシングル作品だ。(杉浦美恵)
『ROCKIN'ON JAPAN』7月号より