デビュー40周年ということで、デトロイト・ガレージの両雄、ストゥージズの初期2枚とMC5のオリジナル作3枚が紙ジャケ/SHM-CD化される。彼らがいなければゴリーズもホワイト・ストライプスもエレクトリック・シックスもなかったわけで重要なのだが、MC5はデビュー作のライブ盤はもちろん、このセカンドはその後の「パンク」の特にサウンド面に与えた影響が計り知れない。やはりすごいアルバムだ。
デビュー作の衝撃的なアジテーション事件に端を発してレコード会社の移籍を余儀なくされたMC5だったが、それにしてもこのセカンドに至るまでのサウンド面の飛距離は、意図的にでなければとても生み出せないものだ。ファストでシャープでポップな「パンク」の原型はここにある。なぜ1曲目に“トゥティ・フルティ”が置かれているのか、考えてみて頂きたい。ジャズもソウルもファンクもあったデトロイトだからこそ、ロックンロールはこんな形で生み直されたのだ。ストゥージズにジョン・ケイルというブレーンが付いていたのに対し、本作のプロデューサーがジョン・ランドーだったのもおもしろい。(小池宏和)
1曲目がこの曲である理由
MC5『バック・イン・ザ・USA』
2009年12月09日発売
2009年12月09日発売
ALBUM