1曲1曲、どの時代のものだったかを確認しながら聴いていったら、自主制作音源の4thシングルから、活動休止を決意してから制作された2013年9月の4thフルアルバムまで、実に万遍なく選曲されたベスト盤になっているのが素晴らしかった。13年間のバンドの歩みの中には、ダンスビートや多彩なアレンジを果敢に取り入れた作品もあるが、knotlampの根底にあるのは純度の高いメロディであり、そして、普遍性という意味でのポップさで、多くのリスナーの心を掴んできた。ここに並ぶ歴代の曲たちが、それを証明してくれるだろう。初ベスト盤にして、ファンへの感謝の気持ちを込めたプレゼントとアナウンスされたこのアルバム。現時点では、これがknotlamp最後の音源になるが、タイトルに「PROLOGUE」＝「序章」とあるように、決してまだ終わりにはしないと彼らも思ってくれていることが感じられる。確かにKEIT自身も、JAPAN10月号でのインタヴューで「また再開できる時に向かっていきたい」と語っていた。その言葉を信じて、再び歩み始める日が来ることを待ち続けたい。（石井彩子）