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●セットリスト
1.I Fell For You, Fuck You
2.My Day
3.Dead At Budokan
4.Punk Rock Dream
5.A Stupid Fool
6.How Many More Times
7.Maybe Maybe
8.Sayonara Hotel
9.Swap The Flies Over Your Head
10.Hungry Like The Wolf
11.Believer
12.Pressure Drop
13.Support Your Local
14.If The Kids Are United
15.My Shoes
16.Brand New Cadillac
17.I Won't Turn Off My Radio
18.What Kind Of Love
19.Ricky Punks III
20.Walk
21.Let The Beat Carry On

（アンコール）
EN1.Soulmate
EN2.Come On,Let's Do The Pogo

（Wアンコール）
EN3.Sucky Yacky

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様々なコンピレーションへの収録曲やカバー曲などレアトラックをパッケージした、セルフコンピレーションアルバム『Songs Of The Living Dead』を携えたツアー「Songs Of The Living Dead Tour」が、新木場STUDIO COASTでファイナルを迎えた。各所ツーマンで回ってきたこのツアーの最後を飾る対バンは、Dizzy Sunfist。あやぺた（Vo・G）はMCで、「人生で初めて肌で感じたパンクロックがKen Band。Ken Bandにパンクロックを1から10まで教えてもらった」と語り、魂を込めたライブで、会場を熱く盛り上げた。ちなみにバンド名にある「Dizzy」は、Ken BandのドラマーMatchanが在籍していたMR. ORANGEの曲名に由来しているという。Dizzy Sunfistにとってどれだけこのステージが大きなものか。その歓喜と緊張とによる最高の爆発を見せたライブとなった。


愛すべき後輩からバトンを受けた、Ken Yokoyamaのライブは『Songs Of The Living Dead』の1曲目、“I Fell For You, Fuck You”でスタートした。「アルバム聴いてきてくれたんだろ？ 歌ってくれるか」という横山健の呼びかけに、頭からマックスの大合唱で応える観客。大きな歌声とともにフロアが大きく波打って、無数のコブシが突き上がり、だいぶ後方からもクラウドサーフが起こる。そして“My Day”、“Dead at Budokan”とシンガロング必至の曲を連投し、のっけから観客を汗だくにさせるKen Band。「最後までもつのかよ。今度はゆっくりした曲──」という横山だが、演奏する曲は“Punk Rock Dream”。大合唱のボリュームは上がるばかりだ。今回の『Songs Of The Living Dead』は“If The Kids Are United”（SHAM69）、”What Kind Of Love”（SNUFF）、ライブ定番の“Walk”といったパンクアンセムのカバーも多く収録され、新曲もまたストロングでキャッチーな曲が並ぶ。このショーも必然的にパンク、メロディックのグレイテストヒッツの様相で、いつも以上に会場の声がデカい。


フロアもとにかく賑やかである。歓声やシンガロングはもちろん、愛あるヤジやツッコミも飛び交う。フロアから上がる声を受けて横山は、「最近、『抱いて』コールが多いんだよな。ガンズ・アンド・ローゼズになった気分ズラ」と笑って、突如超ハイトーンでガンズの“Welcome To The Jungle”を口ずさみ、南英紀（G）に「そういうことやるから、声がかれるんだよ」と冷静にたしなめられたり。あるいは横山の止まらぬ下ネタに「Matchan、止めて！」とフロアから声が上がったりもする。大きな会場でも予定調和な進行でなく、その瞬間の空気、気持ちを最優先に、観客の声が小さいと思えば何度だって大きく身振り手振りで声をあげさせ、「久しぶりの曲をやろうかな」と“Pressure Drop”の裏打ちのビートで躍らせる。また“Ricky Punks III”では、みんなの近くで歌いたいんだと言って、Matchan、南英紀、Jun Gray（B）がパワフルなアンサンブルで援護するなか、フロアへと身を乗り出す横山。マイクには観客の声も入り混じり、迸る感情が会場に響きわたった。


そしてラストに選んだ曲は“Let The Beat Carry On”。すでにアナウンスされているが、このツアーをもってMatchanがKen Bandから脱退する。このライブでもその複雑な思いをあらわにすることはなかったが、ただ最後に横山は「いろんな気持ちがあって難しいツアーだったよ」と言い、「でも続けて続けて、自分が続けられなくなったら誰かが繋げて……続けて、繋いで、続けて、繋いでいくんだ」と言葉を継ぐ。「一緒に歌ってください、1、2、3、4、5！」というMatchanのカウントと歓声でスタートした“Let The Beat Carry On”が、会場を揺るがす大合唱となったのは言うまでもない。新たなドラマーも決まっており、来年にも新たな体制でツアーをしたいと語った横山。この「Songs Of The Living Dead Tour」は、Ken Yokoyama、Ken Bandのパンクロックへの衝動と、その明かりを灯し続けることを刻みつけていくツアーとなった。（吉羽さおり）