LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」 - All photo by 上飯坂一All photo by 上飯坂一

●セットリスト
01.マコトシヤカ
02.Catch the Moment
03.晴レ舞台
04.エレクトリリカル
05.愛錠
06.わがままケット・シー
07.unlasting
08.cancellation
09.赤い罠(who loves it?)
10.炎
11.紅蓮華
12.play the world! feat.PABLO
13.Rising Hope
14.ADAMAS
15.ハウル


LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
「ようこそ、『ONLiNE LEO-NiNE』へ! 今日この特別、全部届けるからね! 受け取ってーっ!」
弾けんばかりの笑顔とともに快活に呼びかけるLiSAの姿が、配信画面の向こう側のオーディエンスを紛れもない「ライブ」の祝祭感の真っ只中へと巻き込んでいく――。

最新5thフルアルバム『LEO-NiNE』とシングル『炎』が令和初の「シングル&アルバム同時首位」を記録するなど、「アーティスト・LiSA」にとっては躍進の1年となった2020年。しかし同時に2020年は、コロナ禍によってアリーナツアー&アコースティックツアーの延期を余儀なくされるなど、「ボーカリスト&パフォーマー・LiSA」にとって重要な表現手段=ライブが思うように実現できない困難な時間でもあった。
そんな中でLiSAが開催した、自身初のオンラインライブ「ONLiNE LEO-NiNE」。「私と同じように『未来は最高だ』と信じ、祈り、強く生きる、全国の貴方へ、ビデオレターを届けるような気持ちでONLiNE LEO-NiNEというものを計画しています」……開催発表にあたってLiSAから寄せられたそんなコメントの通り、その歌とパフォーマンス越しに観る者すべてのハートとエモーションを希望で満たすような、圧倒的なライブアクトを展開してみせた。

炎のようなたてがみの孤独なる獅子「レオナイン」の苦悩を描いたオープニングアニメーションから画面が切り替わると、鉄骨を組み合わせた舞台の如きセット、そしてデニムジャケット姿のLiSAが映し出され、『LEO-NiNE』からのナンバー“マコトシヤカ”のアッパーな躍動感をバンドメンバーと一丸となって加速させていく。
《Let's go! がんばれ いけそうじゃん/まだやれそうじゃん進み続けようぜ》のフレーズをアグレッシブに突き上げるその熱唱に、ライブ開幕の実感と歓喜が鮮やかに弾けていた。
さらに鉄壁のアンセム“Catch the Moment”へと流れ込み、アグレッシブな熱量あふれる歌とサウンドが響き渡ると、LiSAの歌に合わせて配信画面のコメント欄に《Catch the Moment》のフレーズが次々に投稿される――という「タイムライン合唱」も、オンラインライブならではの名シーンと言える。

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
『LEO-NiNE』からもう1曲、爽快な開放感に満ちたポップナンバー“晴レ舞台”を披露したところで、「1年ぶりじゃない? ライブするの。この日を待ってました、私!」とカメラの先の観客に呼びかけるLiSA。「本当はみんなと会ってライブをしたかったんですけど。ライブに敵うものはないし。だけど、普通にオンラインライブをするには、なんだかしっくりこないなと思いながら、みんなでたくさん――今日は特別なメニューにしました!」と意気込みを語り、「愛と思いやりを大切に、みんなで最高に楽しんでいきましょう! ピース!」のコールから “エレクトリリカル”へ。オーディエンスへの「遠隔振り付け」を挟んで、ダンサーとともに軽快なダンスを繰り広げる姿を、8bitゲーム画面風のキャラクターがカラフルに彩っていた。

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
『LEO-NiNE』全13曲のうち実に11曲を盛り込んだこの日のアクト。“愛錠”で聴かせたミステリアスなファルセットの美しさ。白のワンピース姿で床面のLEDディスプレイの上に身を横たえ妖艶な歌世界を展開した“わがままケット・シー”。全方位を囲むLEDディスプレイが火花のような真紅の光の粒を描き出す中、エレクトロナンバー“unlasting”でダンサーの鮮烈なパフォーマンスと共鳴するLiSAの清冽な歌声――。ライブ中に幾度も衣装を替え、曲によっては歌うセットの移動&転換も組み込みながら、ひときわ多彩な色彩を備えた『LEO-NiNE』の世界観を、オンラインライブだからこその自由度をもって伸びやかに立ち昇らせていく。

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
ここからライブは、一気に「ロックヒロイン=LiSA」の真髄的な表情を見せていく。スタジアムの如き強烈な照明に向き合い、LiSA&メンバー4人のシルエットでインダストリアルなロック感をさらに煽り立てた“cancellation”。真っ赤な壁を背にしたLiSAが性急な衝動をほとばしらせる“赤い罠(who loves it?)”。そして、LiSAの周囲に炎が揺れる中で歌い始めた楽曲はもちろん“炎”。映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌として日本中に鳴り渡り、LiSAの存在を強く時代に刻み込んだロックバラードが、雄大なスケール感と包容力を備えた歌声とともに決然と響いていた。さらに、夜叉面のダンサーを擁して“紅蓮華”へ! 《ありがとう 悲しみよ》――苦難を超えて「その先」を求める切迫した想いが、今この状況下においてよりいっそうリアルな強さをもって、観る者の頭と心を震わせてくる。

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
“紅蓮華”を歌い終えたLiSAが背後の赤い壁を壊し、ライブセットが廃墟の倉庫のような景色に変わったところで、サポートギタリスト・PABLOとともに2MCスタイルでワイルドに歌い上げた“play the world! feat.PABLO”から、ライブはさらなるクライマックスへ。“Rising Hope”からそのまま“ADAMAS”へ突入、《何度だって立ち上がって 僕は今日まで来たんだ》と熱唱しながら、マイク横にセットされたドラムを打ち鳴らすLiSAの佇まいは、今この時代を生きる僕らへの渾身のエールそのものだった。

「ONLiNE LEO-NiNE」の最後を飾ったナンバーは“ハウル”。数々のセットが並ぶライブ会場を、ダンサーとともに歌いながら練り歩くLiSA。紙吹雪が舞い散る中、ライブのフィナーレを眩しい歌声で彩ってみせた。そして、“ハウル”のアウトロに差し掛かった時、LiSAがオーディエンスへのメッセージを、息を弾ませながら、カメラをまっすぐに見つめて伝える。

LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
LiSA/「ONLiNE LEO-NiNE」
「いつも当たり前のようにあった幸せが、特別なんだって気づいた2020年。君のことをたくさん想って、どうしても君に会いたくなった2020年。不安になったり、立ち止まったりしそうになっても、今日私たちはここに辿り着いた。いつも本当にありがとう! もっともっと最高の未来が、私たちに待ってますように! 今日を越えていけ! もっともっと越えていけ!」

ラストはLiSA万感の「ばいちっ!」を残して、初のオンラインライブ「ONLiNE LEO-NiNE」は終了。格段に進化を遂げたLiSAの現在地を、『LEO-NiNE』、『炎』の楽曲群を通してどこまでもダイナミックに提示してみせた、最高のアクトだった。(高橋智樹)

※「ONLiNE LEO-NiNE」は12月19日(土)23:00まで見逃し配信によるアーカイブ視聴が可能。配信チケットは19日(土)17:00まで販売中。

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