Yacht.
注目度急上昇中の新人、ビークル&the HIATUSの前に登場。ただし、急上昇中なんだけど、こういう音楽性のバンドにしては珍しく、ライブよりもスタジオにこもってひたすら曲を作りアレンジを詰めていくことに重点を置いて活動してきたバンドだそうで(そのへんの話、映像コメント収録でききました。後日アップするのでぜひ)、ライブをいっぱいやり始めたのは、最新ミニ・アルバム『Willy Willy』リリース(4月15日)から、つまり正に今のタイミングになってから。よって、「聴いた」「好き」という人数と、「観たことある」という人の人数の比率が、まだちょっといびつなことになっていると予想されるバンドであって、そういうバンドであるがゆえに、the HIATUSとビークルの前に出るのはおいしいっちゃおいしいが、大変っちゃあ大変。
やはり最初、満員のフロアの大半は、「ほう、これがYacht.かあ」という雰囲気。興味なかったらロビーに出て行くだろうけど、パンパンに埋まっているわけで、つまり興味はあるし観たいんだけど、まだ様子うかがいというか、どうリアクトしていいか決めかねている空気。
バンドもやはり、ちょっと硬い。が、たとえ硬くともとにかく頭っから全力でトバしていく、やたら気合いの入った音とステージ・アクションに、だんだんフロアがつられ始め、4曲目“Soul Wave”に入るところで「1,2,3,4」をフロアに数度コールさせてから曲に突入した瞬間、一気に栓が切れたように空気がほぐれ、ムードがアガる。そのままラスト“A latter letter”までつっ走る。その4曲目あたりからメンバーの表情が、「あ、大丈夫かも」「楽しいかも」と、だんだん変わっていき、それに比例して、出している音がさらにいきいきと楽しそうになっていく、そのさまが面白かった。勝って帰った、Yacht.。
1.Surfin’Fish
2.Omnivora
3.TV bug
4.Soul wave
5.LOVE&HUG
6.Steps
7.A latter letter
the HIATUS
まず細美のMCから。
細美「今日が楽しみで、昨日全然眠れなくて……」
客「ヌイたー?」
細美「(間髪いれず))ヌイたよ!」
フロア、大笑い。
眠れない時はヌケばなんとかなる、というのが自分のセオリーなので、1回ヌイてみたが眠れず、もう1回ヌイてみたがまだ眠れず、3回目にヌイてみたがどうしても眠れず、あきらめたそうです。
という、自慰関係のことをどうしても言わずにはいられないMCは相変わらずだが……いや。相変わらずではない。the HIATUSを始めてからは、封印されていた。いや、封印というほど、はっきり意識して言わないようにしていたのかどうかは知らないが、あと今日だって、客に振られたから答えただけで、振られなかったら最後まで言わなかったかもしれないが、振られたらスッとそう答えられるような精神状態に、今の細美がなっているということだ。と僕は思った。つまり、バンドがどんどんいい状態になっていて、いよいよ本格的に転がり始めたということだ。
正にそういうライブ。凄腕のメンバーが集まっているわりに、「鉄壁!」とか「緻密!」とか、そういう感じの音ではない。もっとこう、力まかせで衝動まかせ、ちょっとアンサンブルが怪しくなる瞬間すらある。ステージの上に、何かが建設されていくというよりも、バンバン爆発が起こって次々とぶっ壊れていくみたいなテンション。その爆発っぷりがすごくいい。うわ、始まってる。なんか始まってるわ、これ。そういうワクワク感に満ちた30分間だった。
特に細美。それなりにライブ何度か観てきたつもりだったけど、「えっこんなボーカリストだったっけ?」「こんな声出る人だっけ?」「こんなすごい情報量の感情が、マイク通してドワーッ! と出る人だっけ?」みたいにびっくりする瞬間が、何度もあった。要は、HIATUSの1stアルバム『Trash We’d Love』を聴いて受けたのと同じ驚きが、生で、そして何倍にもなって襲ってきた感じだった。
「今日はHIATUSの誕生日だと思ってます。だから正装してきました」と細美。そういえば最初はネクタイしてたけど、終わる頃にはしめてなかった。はずしたのか、どっかにいっちゃったのか。それも覚えてないくらいでした。今日もよかったし、この先さらにどんどんすごくなりそう。
BEAT CRUSADERS
ヒダカさん、「Yacht.とHIATUSという新人バンドが俺たちの前座をやってくれて(笑)」というMCと、「HIATUS、絶対アルバム間に合わないと思ったから、それでトリやるっていうのもイヤだろうと思って、俺たちトリを引き受けたのに、アルバム間に合っちゃうし、オリコン1位とかだし、そのあとにライブやるつらさがわかるか!!」という趣旨のMCをくり返しておられました。
タロウさんは、今隣の代々木競技場でやっているのが倖田來未であることを、やたら強調するMCでした。で、お二人とも、それを強調したあとで、フロアにおなじみのお××コールを強いておられました。
で。ライブはもう、圧巻。下のセットリストを見れば明らかなように、もう反則のごときキラー・チューン連発。プレイが、ビークルのアベレージに比べて、かなりラウドめで荒々しめなのも、今日の場合ずっぱまり。10曲目でWISEが登場! 5月27日にリリースされたばかりのWISEのニュー・アルバム「LOVE QUEST」に、ビークルが参加しており、当然その参加曲「INTO THE SKY」を共に披露。ラストの「FOOL GROOVE」もステージに留まり、曲にアドリブでラップをのっけていく。
アンコール、キラー・チューン中のキラー・チューンを2発投下してもフロアからのコールは止まず、急遽ダブル・アンコールでさらに2曲投下してくれた。参加してくれた人たち、大満足だったと思う。
1.TIME FLIES,EVERYTHING GOES
2.FEEL
3.E.M.O
4.CHINESE JET SET
5.DAY AFTER DAY
6.BANG! BANG!
7.SITUATION
8.GHOST
9.HIT IN THE USA
10.INTO THE SKY with WISE
11.FOOL GROOVE with WISE
アンコール
12.BE MY WIFE
13.CUM ON FEEL THE NOIZE
アンコール2
14.TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT
15.JAPANESE GIRL
二度目のアンコールを終えてステージを降りる時の、ヒダカのひとこと。
「夏に会おうぜ、ベイべー!」
そう、3バンドともROCK IN JAPAN FES.2009への出演が発表ずみ。ビークルとYacht.は1日目の7月31日(金)、the HIATUSは3日目の8月2日(日)に出演です。またお会いしましょう。(文=兵庫慎司 撮影=スズキメグミ)