現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号にフレデリックが登場!新しい生活に変わっていくっていう中で、自分が曲を作る時に
テーマとしてずっと置いてたのは「生まれ変わる」ってことだった(三原康司)
最新EP『ASOVIVA』完成!
今届けたい音楽と言葉、そして2021年武道館への思い、そのすべてを語る
インタビュー=海津亮 撮影=YAMA 山添雄彦
1年ぶりとなるEPのタイトルを『ASOVIVA』と名付けたことにフレデリックの知性を感じる。普通アーティストは必要以上に自分たちの活動や作品をシリアスに位置づけたがるものだ。1曲1曲の制作に全精力を傾け苦しんで苦しんで産み出すのだから、それも当然だろう。でもフレデリックはそれを「遊び」と呼ぶ。満員の横浜アリーナで喝采を浴びた直後から始まった終わりの見えないステイホーム期間。ストレスとフラストレーションの中で敢行されたリモートレコーディングは、逆にあらためてフレデリック4人のフィジカルだけでない精神的なつながりを確認する作業にもなった。
先行で配信された楽曲“されどBGM”では、不要不急であっても我々には音楽が必要である、ということをストレートに訴えている。この曲にもある《たかが〜 されど〜》を繰り返すのが、三原康司(B)得意のスタイルで、それが毎回独特の高揚感を生み出している。表と裏、光と影、否定と肯定、そうしたものを1曲の中に表現できるフレデリックだから、自分たちのクリエイティブを「遊び」と呼べるのだろう。来年2月に控える武道館を「遊び場」にするとも公言している。特殊な状況下で制作された新曲4曲は、やはりフレデリックらしさを再認識させる作品になった。(海津亮)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年11月号より抜粋)