【JAPAN最新号】RADWIMPSが2020年、空白の夏に放つ6曲入りの新作 『夏のせい ep』とは何なのか?

【JAPAN最新号】RADWIMPSが2020年、空白の夏に放つ6曲入りの新作 『夏のせい ep』とは何なのか?
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号にRADWIMPSのロングレビューを掲載!

2020年、空白の夏にRADWIMPSが放つ6曲入りの新作、『夏のせい ep』とは何なのか?

文=小松香里


RADWIMPSが、自身初のEP『夏のせい ep』をリリースした。

1曲目は、Apple Music限定でリリースしCMにもフィーチャーされた新曲“夏のせい”。9月4日に出演した『ミュージックステーション』で野田洋次郎は、“夏のせい”についてこう説明していた。
「昨年の夏に、夏まっさかりの8月に、僕なりの夏らしい曲、僕の夏の定番の歌を作りたいと思って作った曲です」。
つまり、“夏のせい”は、コロナ禍以前に、「いつもの夏」を想定して作られた曲だということだ。
 
ゴスペルのような静謐なコーラスで“夏のせい”は幕を開ける。野田洋次郎の歌声は、夏特有のうだるような熱気に少しワクワクするかのような高揚を感じさせ、《夏のせいにして 僕らどこへ行こう/恋のせいにして どこまででも行こう/胸踊るものだけが 呼吸するこの季節に/取り残されて 置いていかれてみようよ》と、いたずら心をほのめかす。

ここで描かれている気持ちは、洋次郎が2019年の8月に思い浮かべていた2020年の「いつもの夏」をめぐるものだ。そう考えると、これまでの夏だからこその《二割増しの無茶》も《ガラにない背伸び》の意味も大きく変わってしまったわけで。《夏のせいにして 僕らどこへ行こう/恋のせいにして どこまででも行こう/5倍速ですべてが 駆けてくこの季節に/例えばほら、永遠でも 見に行こう》というロマンチックなメッセージも、様々なものが失われてしまった今夏においては、まるで理想郷のように響く、とてつもなく切ない曲だ。

でも、《いくつもの夢たちが 今夜破れても/君と僕なら 勝てないわけない気がした》という確信は永遠に有効だし、この曲の持つセンチメンタルな美しさは、新たな郷愁を宿したうえで、しっかりと煌めいている。(以下、本誌記事に続く)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年11月号より抜粋)


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