現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号にセントチヒロ・チッチが登場! BiSH 2万字インタビュー vol.6ここでうまくやっていくには、リーダーになるしかないって思ったんですよ。私は普通だから、キャプテンっていう肩書きがないとここにいられないって
誰よりもBiSHの物語を背負い、戦い続けてきたセントチヒロ・チッチ、傷だらけの軌跡のすべて
インタビュー=小川智宏 撮影=Kenta Sawada
半年以上にわたって続けてきたBiSHの2万字インタビュー連載もついに最終回。トリを飾るのはセントチヒロ・チッチだ。もちろん現在のBiSHの6人のメンバー、そして過去に在籍した元メンバーも含め、全員の個性がBiSHを作ってきたという大前提があったうえでの話だが、振付やパフォーマンスという意味でBiSHの「形」を作ったのがアイナ・ジ・エンドだとするなら、BiSHの「物語」を背負って前に進めてきたのはこの人だと思う。初期はキャプテンとして名実ともにグループの先頭を走ってきた彼女だが、肩書きが取れた今も、彼女の思いがBiSHのエンジンとなっているという部分は大きい。そんなチッチの半生を振り返るということは、つまりBiSHがここまでどんな迷いや悩みを抱え、それでも走り続けてきたかを語るということだ。ゲーマーだった子ども時代、中学でのいじめ体験、そこで芽生えたリベンジ精神、前に所属していたアイドルグループでの経験に、BiSHに入ってからの苦悩。そのすべてを知ったうえで「幸せになりたい」という彼女の言葉に触れ、『LETTERS』の最後に収められた“I'm waiting for my dawn”を聴くと、改めて今BiSHがたどり着き、立っている場所の美しさが見えるはずだ。(小川智宏)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年11月号より抜粋)