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    【JAPAN最新号】くるり、万物はすべからく不可思議なり。音楽もまた然り。そこを捉えた稀なる傑作、その名も『天才の愛』。岸田繁、陽気に語る

    【JAPAN最新号】くるり、万物はすべからく不可思議なり。音楽もまた然り。そこを捉えた稀なる傑作、その名も『天才の愛』。岸田繁、陽気に語る

    肉みたいな肉じゃないやつを食うより、絶対肉のほうがいいし。
    VRで全部体感できるエロエロ動画マシーンで「これ最高!」ってなるより、生身の好きな人がいるのがいいし

    現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号にくるり・岸田繁が登場!

    万物はすべからく不可思議なり。音楽もまた然り。
    そこを捉えた稀なる傑作、その名も『天才の愛』。
    岸田繁、陽気に語る

    インタビュー=山崎洋一郎 撮影=Patrick Tsai


    前作『ソングライン』が歌モノのアルバム、そして今作『天才の愛』が実験モノ、遊びモノのアルバム、まあ説明上はそう言ってもいいのだが、実際に聴けばそんなもんじゃないことはすぐにわかるはず。

    まず1曲目の“I Love You”が画期的の新しさ。“琥珀色の街、上海蟹の朝”ぐらいの鮮やかさ。
    そして3曲目の“野球”の突き抜けた遊びの純粋さ。ほぼ村上隆のアート。
    4曲目の“益荒男さん”で飛び交うサンプリングやSEの異常な完成度とその無意味さ。
    最終曲の“ぷしゅ”はベース・佐藤征史の作で、どう聴くのが正解なのかが永遠にわからない、でもポップな怪作。
    そしてさらに2曲目の“潮風のアリア”や“渚”は、曲調は『ソングライン』に入っててもおかしくない歌モノなのだが、物語を紡がず情緒を弾くとりとめのない歌詞が完全に異質だ。

    もちろん、『ソングライン』の時に言っていた、プログレやジャズっぽい実験的な曲も、6曲目の“大阪万博”と7曲目の“watituti”、8曲目の“less than love”と、中盤に3曲しっかりと入っていて、このアルバムの特色となってはいる。

    だが、もはやこのアルバムはそんな当初の方向性をすっかり逸脱して、『ソングライン』から3年後の、このコロナ禍の混沌とした季節の果てにリリースされるにふさわしい画期性と、一筋縄ではいかないタフさと、不気味なまでの楽天性を持つアルバムになっている。
    正体不明の奇跡のアルバム、と呼んでいいと思う。
    岸田繁に話を訊いた。(山崎洋一郎)

    (『ROCKIN'ON JAPAN』2021年6月号より抜粋)



    【JAPAN最新号】くるり、万物はすべからく不可思議なり。音楽もまた然り。そこを捉えた稀なる傑作、その名も『天才の愛』。岸田繁、陽気に語る - 『ROCKIN’ON JAPAN』2021年6月号『ROCKIN’ON JAPAN』2021年6月号
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