バンドしてるっていうか、人間の練習をしてるみたいな感じ。音楽やってますっていう感じがあんまりしないです
自分たちの感性を媚びずに貫き続けてきたバンド、羊文学。でも今、最も急速にその音楽は多くの人に向かって広がり始めている。
モヤモヤした出口のない感情に嘘をつかないための表現として、サウンドはシューゲイザーやポストロックやドリームポップなど、洋楽のオルタナティブロックやインディーロックのスタイルを取り入れているけれど、「それでも生きていく」という強い意志と共に進化した今の羊文学の音楽は、未来的なのに温かさに溢れた、洋楽も邦楽も超えた最新型のポップミュージックだ。前作『our hope』では、その輪郭を見事に描いたが、アニメ『呪術廻戦』のED曲“more than words”のヒットも経ての最新アルバム『12 hugs (like butterflies)』では完全にその中心を射抜いて、まだ誰も超えていない境界を羊文学は超えた。
今こそ、どのように羊文学が歩んできて、その音楽がどこに私たちを導こうとしているのかにロングインタビューで迫る。
インタビュー=古河晋 撮影=服部恭平
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)
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