「謙虚でいたい」とずっと思っていたけど、謙遜しすぎていた部分もちょっとある気がしたんです。自覚を持つことで、もっと人に対して何かができるようになったりするんじゃないのかなって
ここのところSUPER BEAVERには4人全員で登場してもらうことが多かったが、今回は渋谷龍太(Vo)ひとりへのインタビューだ。ちょうど、ぶーやんに聞きたいことがたくさんあった。7月のコニファーフォレストでの野外ワンマン「都会のラクダSP 〜 真夏のフジQ、ラクダにっぽんいち 〜」を観て、フロントマンとしての彼のあり方や、観客との向き合い方が大きく変わっているのではないかと感じたからだ。どんどん規模が大きくなり、多くの人に聴かれる存在になっているSUPER BEAVERにとって、そのデカい相手とどう相対するのかはとても重要なテーマだが、そこに対して明確な「答え」のようなものをぶーやんは手にしているのではないか、と思った。そうこうしているうちに夏には喉の不調でライブを休んだりもして心配したが、それも含めて、今彼らが大きな変化の最中にいることが、以下のインタビューからもわかると思う。
そしてこのバンドはいつもそうなのだが、そうした変化が常に楽曲に表れる。11月3日に配信された“決心”は、今ビーバーが向き合っているもの、感じていることがまっすぐに込められた楽曲だ。バンドのスタンスについて語っていたはずがいつの間にか楽曲の話になり、楽曲について話していることがそのままバンドのあり方になる、そんな彼らならではの面白さも感じてもらえると嬉しい。この“決心”までの道のりを語ってもらったインタビュー後に発表された、「第103回全国高校ラグビー大会」のテーマソングとして書き下ろされた最新曲“値千金”もきっとそうだが、今SUPER BEAVERの視線がどこに注がれているのかは、それらの楽曲がはっきりと示している。
インタビュー=小川智宏 撮影=矢吹健巳(W)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)
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