吉岡が進化すればいきものがかりは進化するし、僕が進化したらいきものがかりが進化する。ちょっとずつ自分たちができることで「輪っか」を広げていってる（水野）
2023年は、2人体制となったいきものがかりが本格的に活動を再開させた1年でもあった。今年は映画やアニメ、テレビ番組等の主題歌を数多く手がけ、フェスやイベントにも出演を果たした。その新たなスタートを刻みつけるようなフルアルバム『◯（まる）』が12月13日にリリースされる。いきものがかりの広く人生を照らすようなポップソングが持つ普遍性は、各々のソロ活動や別プロジェクトでの活動を経て、また、ふたりがそれぞれに子を持つ「親」となったことなども影響し合いながら、より深くあたたかい眼差しを得ている。楽曲が聴く人の心に寄り添うものであるようにという、いきものがかりの一貫したスタンスはそのままに、今作には確実にミュージシャン、ボーカリストとしての成熟や進化が色濃く反映されている。いきものがかりの音楽が、なぜ多くの人にとっていつでも「帰って来れる場所」であるのか。なぜいつもあたたかくやさしく響くのか。待望の新作について訊いた今回のインタビューでは、しなやかさを増したそのポップの源泉に触れることができたような気がする。
インタビュー＝杉浦美恵 撮影＝山﨑泰治
（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋）
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