「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」として、独自の視点でリアルな歌を生み出し続けるmoon dropが3作目のフルアルバム『君にみた季節』を完成させた。昨年のメジャーデビュー以降、その音楽性はさらなる多彩さを見せ、それに伴いライブの動員も右肩上がりで上昇中。そして今年は結成10周年ということもあり、バンドのさらなる飛躍に期待が高まる。今回のアルバムは、まさにバンドの規模感が大きくなっていく、その充実感をそのままパッケージしたような、とても濃密な作品に仕上がった。実験的なチャレンジも、普遍的なアプローチも、ひとつ扉を開け放ったようなスケールと自由度を感じさせるのだ。浜口飛雄也(Vo・G)のソングライティングにも、どこか開けた視線を感じる。彼らが「ラブソング」で描きたいことは、この作品でどう変化したのか。moon dropの進化の理由を探る。報われなかった恋もちゃんと支えられるような歌を、これからも歌っていきたいと思う。
そういう決意でもある
インタビュー=杉浦美恵 撮影=小杉歩
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』4月号のご購入はこちら