EPといえば約3年前の『だからそれは真実』は、最終曲“真実”が特別な存在感を放っていたという意味で興味深い作品だった。だがそれ以上に、この新しいEP『仮のまま定着したような愛情で』は、EP自体がアルバムともシングルとも違う意味合いと肌触りを持ち、クリープハイプの新たな作品フォーマットと言えるまでに達した画期的な出来になっている。どうにか生き残るために技術を磨いて、トリッキーなこともしてきたけど、
このタイミングで1回武装を取り外すことができたなら、ちょうどいいのかな
クリープハイプのシグネチャーであるキャッチーでトリッキーなフックがほぼなく、尾崎の言葉と声の個性の過剰さで突き抜けるような手法も取られていない。すべての楽曲がテーマにしっかりと焦点が合っていて、1ミリの過不足もなく磨かれている。だから歌詞の物語が、演出を通してではなくそれそのものとしてスパッと入ってくる。楽曲と言葉に耳や頭が振り回されるいつもの感じとはちょっと違って、冷静に集中して聴いているのに心だけが大きく動かされるような、これまでになかった感触だ。この「しぐさ」の変化には、クリープハイプに対する自信や肯定、そしてファンへの信頼などいろいろなことが関係していると思った。
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=笠井爾示
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年6月号より抜粋)
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