学生の頃からずっと、いつか自分のバンドで出すなら、こんなファーストフルアルバムにしたい、と。そうやって膨らませまくった妄想のアルバム像に向かって全力で突っ走った、それがtetoのファーストフルアルバム『手』だ。
歌わずにはいられないという衝動、アルバムを作るために絞り出すのではなく、日常生活で確かに揺れた心を見逃さずに描く、嘘偽りのない喜怒哀楽が今作には詰まっている。
アルバムは4つの感情の中で、「怒」のバランスが多い。それについて小池(Vo・G)は、「いつもムカついてるんですよ。でも、しょうがなかったりもするじゃないですか。だから、怒りを受容して落ち着く。その過程が曲になってるんです」と言っていた。
今回のインタビューでは、そのあたりを軸に、なぜ小池は怒りを歌うのか、そして、両手いっぱいに怒りや悲しみを抱えたまま、ラストソング“手”に辿り着いたとき、なぜ、こんなにも私たちの人生に不可欠なアルバムとして届くのか。そのあたりを語ってもらった。
ちなみに取材では、誌面に載せきれないぐらい、それぞれの曲への想いも語ってくれていて、最後に「前回の初インタビューのときより、たくさん話してくれてありがとう」と言ったら、小池は「前回は警戒してました(笑)」と、言っていた。どうやら少しは警戒を解いてくれた様子なので、そのあたりの雰囲気もテキストから伝わればと思います。
このインタビューは発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号に掲載です。(秦理絵)
tetoはなぜ怒りを歌うのか? 初のフルアルバム『手』インタビュー!
2018.10.01 13:12